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目次
グラフはシャッター業界の業界規模(対象企業の3計)の推移をグラフで表したものです。
シャッター業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年のシャッター業界の業界規模(主要対象企業3社の売上高の合計)は6,198億円となっています。
シャッター業界の過去11年間の業界規模の推移
シャッター業界の過去11年間の業界規模の推移を見ますと、緩やかな増加傾向にあります。
経済産業省の「生産動態統計」によると、2020年のスチール又はステンレスシャッターの販売量は前年比-11.1%の94,582トン、販売金額は前年比-9.9%の464億円でした。
シャッターの販売量と販売金額の推移(出所:生産動態統計、グラフは業界動向サーチが作成)
2020年には減少に転じましたが、ここ数年の動向では、シャッターの販売量・販売金額ともに緩やかな上昇傾向にあります。
2020年のシャッター業界は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けています。2020年の新設住宅着工戸数は前年比9.9%減の81万5,340戸で、国内の住宅向けシャッターが低調に推移。オフィス、工場などの重量シャッターも業績を悪化させています。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、リフォームの先送りや修理・メンテナンスの遅れも一部で見られます。
一方、コロナ禍において、eコマースを背景とした物流施設の需要は根強く、物流施設向けシャッターは好調に推移しています。米国では住宅ガレージ用シャッターの需要も根強く、米国でのホームセンターやeコマース向けも大きく伸びています。2020年全体としては、物流施設や米国向けが好調であったものの、新型コロナの影響が大きく、各社とも減収を記録しています。
続いて、シャッター業界の売上高ランキングを見ていきます。以下は2020年のシャッター業界の売上高ランキングです。
ランキングを見ますと、三和HDを除き、2社が減収しているのが分かります。首位の三和HDは重量、軽量シャッターともに国内首位で、海外でも欧米を中心に幅広く展開しています。
2位の文化シヤッターは商業施設、工場、戸建て向けが主力です。3位の東洋シヤッターは商業施設やビル向けの重量シャッターを中心に手がけています。
一口にシャッターと言ってもその種類は豊富です。住宅用の軽量シャッターはもちろん、窓シャッター、オーバースライダー、防火・防水シャッター、重量シャッター、シートシャッターなど様々です。
そんな中、近年とくに注目を集めているのが防災用シャッターです。シャッター本来の機能とも言えますが、最近では大型台風や集中豪雨、洪水による被害が増えており、シャッターの持つ「防災」の役割が重要度を増しています。
文化シヤッターは浸水被害に備える「止水事業」を強化
こうした動向を受け、業界2位の文化シヤッターは集中豪雨や台風に備えた止水事業を強化。止水シャッターや止水ドア、止水板に加え、増水に伴い水の浮力で自動起立する「浮力起伏式止水版」も展開。業績も好調に推移しています。
業界首位の三和シヤッターも水害に備えた「ウォーターガード」シリーズを展開。洪水や大雨時に出入口からの浸水を守ります。また、近年では強風発生時に飛来物から開口部を守る「耐風ガード」シリーズも展開。需要が増している物流施設向けを中心に手掛けます。
近年、日本では大型台風やゲリラ豪雨、洪水などの様々な災害が増えています。今後もこうした災害は引き続き起きるとみられ、シャッターが持つ「防災」の機能がさらに注目されることでしょう。日本の建物の防災対策はいまだ未整備であり、今後もこうした需要は底堅いと見られています。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | 三和HD | 4,270 | 68.9 | |
2 | 文化シヤッター | 1,731 | 27.9 | |
3 | 東洋シヤッター | 197 | 3.2 |