食品卸業界の動向や現状、ランキングなどを研究

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食品卸業界の動向や現状、ランキング、シェアなどを研究しています。データは2021-2022年。食品卸業界の過去の市場規模の推移をはじめ、食料・飲料卸売業の販売額の推移グラフ、2021年のコロナの影響と売上高ランキング、今後への各社の取り組みなどをご紹介しています。

食品卸業界(2021-2022年)

食品卸業界の推移と基本情報

業界規模

10.3兆円

成長率

-2.5

利益率

0.5

平均年収

586万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

食品卸業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近の2019年から2021年にかけて減少傾向にあります。

食品卸業界の動向と現状(2021-2022年)

2022年はコロナ禍でも底堅い推移 販売額は7%増の57兆円越え

経済産業省の商業動態統計(2023年2月15日)によると、2022年の食料・飲料卸売業の販売額は前年比6.9%増の57.1兆円でした。

食料・飲料卸売業の販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

食料・飲料卸売業の販売額の推移を見ますと、緩やかな上昇傾向にあります。2019年は前年に比べて減少に転じましたが、2020年以降は再び増加傾向に転じました。2022年は統計が公表されている過去43年間で最高額を記録するなど、新型コロナ禍でも底堅い推移をしています。

2020年の食品卸業界は、コロナによる巣ごもり需要増の影響により、スーパーやディスカウントストアなど家庭向けが伸長したものの、飲食店などの業務用需要が落ち込み、全体としては横ばい、企業によっては微増で推移しています。

2021年の食品卸業界は、年前半の新型コロナによる落ち込みと年後半の経済再開が入り混じる一年でした。昨年落ち込んだ業務用は一部で回復を見せたものの、昨年好調だった家庭向け食品需要は反動減となりました。

品目別では、好調だった調味料や菓子、缶詰、乾物などの家庭向け食品は伸びが鈍化しました。一方、昨年落ち込んだ業務用の冷凍食品やチルド食品、ビールなどのアルコール類は回復傾向にあります。2021年は年後半から経済再開の動きとなり、昨年からの巻き戻しの動きが見られます。

食品卸業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日本アクセス 21,203
2 三菱食品 19,556
3 国分グループ本社 18,814
4 加藤産業 11,371
5 三井食品 6,643

2021-2022年の食品卸業界の売上高ランキングを見ますと、ランキングに入っている企業はおおむね売上高の規模が大きく、日本の「食」を担う重要な産業であることが分かります。

業界首位の三菱食品は三菱商事系で、2012年に菱食をはじめとする4社が統合してできた会社です。売上高では食品卸業界で一歩リードしています。

全体的には年ごとの売上の大きな変化は見られず、成長性が低いのが課題です。ただし、コロナ禍でも業績が底堅いように、不測の事態や不景気でも業績は安定しています。

食を取り巻く環境の変化 各社、柔軟に対応

複数の人のひらめき

コロナ禍でも堅調な推移を見せた食品卸業界ですが、少子高齢化など業界を取り巻く環境は楽観視できません。こうした動向をふまえ、各社とも将来の成長を見据えた様々な取り組みを行っています。

業界首位の三菱食品は、冷凍食品の「ミールキット」の販売に注力。ミールキットは加工済みの食材と調味料がセットになっており、簡単に調理することができます。コロナ禍による内食需要と共働きによる時短需要の高まりに応えます。

三菱食品はさらに、コロナ禍で経営が厳しい飲食店と、集客が好調なスーパーを引き合わせるマッチング事業を展開しました。これにより、飲食店はスーパーの空きスペースを借りることででき、小売店で販売チャネルを持つことができます。スーパー側も集客の増加や売り場のマンネリ化策としても有効であり、面白い試みと言えるでしょう。

三菱食品のマッチング事業「ガラリトスイッチ」

三菱食品のマッチング事業「ガラリトスイッチ」

加藤産業は2020年10月にマレーシアで卸売り事業を展開するMerisonを買収。マレーシア二つ目の拠点となり、すでに展開している北部に加えて、シンガポールとのシナジーも期待したいところです。加藤産業は東南アジアの地盤を着実に強化しています。

伊藤忠食品は2019年7月に「デリッシュキッチン」などを手掛けるエブリーと資本・業務提携を結びました。両社は好調なスーパー向けにレシピ動画などを提供するデジタルサイネージの設置拡大に取り組みます。

新型コロナウイルスの感染拡大により、食を取り巻く環境は大きく変わりました。各社ともコロナへ対策は早く、柔軟に対応している印象を受けます。難しい局面ではありますが、各社のさらなる取り組みに期待したいところです。

食品卸業界 ランキング&シェア

食品卸業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで食品卸市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

食品卸業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日本アクセス 21,203
2 三菱食品 19,556
3 国分グループ本社 18,814
4 加藤産業 11,371
5 三井食品 6,643
6 伊藤忠食品 6,126
7 ヤマエグループHD 4,203
8 スターゼン 3,814
9 西本WismettacHD 2,132
10 トーホー 1,593

※ヤマエグループHDは食品関連+糖粉・飼料畜産関連事業、トーホーはディストリビューター+キャッシュアンドキャリー事業の売上高です。シェアとは食品卸業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで食品卸市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ食品卸業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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食品卸業界 対象企業一覧

三菱食品、日本アクセス、国分グループ本社、加藤産業、三井食品、伊藤忠食品、ヤマエ久野、スターゼン、西本Wismettacホールディングス、トーホー、ラクト・ジャパン、ユアサ・フナショク、木徳神糧、正栄食品工業、尾家産業、大光、石光商事、サトー商会、久世、デリカフーズHD、オーウイル、ヤマタネ、ジーエフシー、太洋物産、創健社、農業総合研究所、タカチホの計27社

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