食品卸業界の動向や現状、ランキングなどを研究

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食品卸業界の動向や現状、ランキング、シェアなどを研究しています。データは2022-2023年。食品卸業界の過去の市場規模の推移をはじめ、食料・飲料卸売業の販売額の推移グラフと売上高ランキング、今後への各社の取り組みなどをご紹介しています。

食品卸業界(2022-2023年)

食品卸業界の推移と基本情報

業界規模

10.8兆円

成長率

-1.5

利益率

1.4

平均年収

612万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

食品卸業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2019年から2021年までは減少傾向にありましたが、2022年には増加に転じています。

食品卸業界の動向と現状(2022-2023年)

2023年は外食やコンビニ向け回復へ 販売額は10%増の63兆円

経済産業省の商業動態統計(2024年4月15日)によると、2023年の食料・飲料卸売業の販売額は前年比10.9%増の63.3兆円でした。

食料・飲料卸売業の販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

食料・飲料卸売業の販売額の推移を見ますと、緩やかな上昇傾向にあります。2019年は前年に比べて減少に転じましたが、2020年以降は再び増加傾向にあります。新型コロナ禍でも底堅く推移しており、2023年は前年から大幅に増加、統計が公表されている過去44年で最高額となりました。

2022年の食品卸業界は、コロナ禍による行動制限の緩和により人流が回復し、外食産業を中心に回復が見られました。外食やディスカウントでは業務用が、そのほか、コンビニエンスストアやドラッグストアにおいても好調に推移しました。

一方、コロナ特需の反動減により家庭向け加工食品や酒類が縮小し、スーパーマーケットとの取引が減少するマイナス面も見られました。

品目別では、業務用の冷凍食品やチルド食品、ビールなどのアルコール類が回復傾向にあります。一方、調味料や缶詰、乾物などの家庭向け食品は伸びが鈍化しています。2022年は全体では増収増益でした。

食品卸業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日本アクセス 21,975
2 三菱食品 19,967
3 国分グループ本社 19,330
4 加藤産業 10,356
5 三井食品 6,768

2022-2023年の食品卸業界の売上高ランキングを見ますと、ランキングに入っている企業はおおむね売上高の規模が大きく、日本の「食」を担う重要な産業であることが分かります。

業界首位の日本アクセスは伊藤忠商事の完全子会社です。売上高では食品卸業界で一歩リードしています。2位の三菱食品は三菱商事系で、2012年に菱食をはじめとする4社が統合してできた会社です。

全体的には年ごとの売上に大きな変化は見られず、成長性が低いのが課題です。ただし、コロナ禍でも業績が底堅いように、不測の事態や不景気でも業績は安定しています。

食を取り巻く環境の変化 各社、柔軟に対応

複数の人のひらめき

多くの業界がコロナ禍で苦戦を強いられるなか、堅調な推移を見せた食品卸業界ですが。その一方で、少子高齢化や物価高など業界を取り巻く環境は楽観視できません。こうした動向をふまえ、各社とも将来の成長を見据えた様々な取り組みを行っています。

業界首位の日本アクセスは、食品卸としての機能強化に向け、マーケティング部に加え商品開発部と業務用商品開発部を統合しました。消費者ニーズを捉えた付加価値のあるオリジナル商品や業務用事業拡大に向けたシームレスな商品開発で競合との差別化を図ります。

業界2位の三菱食品は、冷凍食品の「ミールキット」の販売に注力。ミールキットは加工済みの食材と調味料がセットになっており、簡単に調理することができます。共働きによる時短・簡便需要の高まりに応えます。

三菱食品のミールキット「For meシリーズ」

三菱食品のミールキット「For meシリーズ」

加藤産業は2020年10月にマレーシアで卸売り事業を展開するMerisonを買収。マレーシア二つ目の拠点となり、すでに展開している北部に加えて、シンガポールとのシナジーも期待したいところです。加藤産業は東南アジアの地盤を着実に強化しています。

伊藤忠食品は2019年7月に「デリッシュキッチン」などを手掛けるエブリーと資本・業務提携を結びました。両社は好調なスーパー向けにレシピ動画などを提供するデジタルサイネージの設置拡大に取り組みます。

コロナ禍では食を取り巻く環境は大きく変わり、各社ともコロナへ対策は早く、柔軟に対応してきました。そして、経済活動の再開により外食需要が回復する一方、物価上昇により消費者の生活防衛意識が高まっています。難しい局面ではありますが、各社のさらなる取り組みに期待したいところです。

食品卸業界 ランキング&シェア

食品卸業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで食品卸市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

食品卸業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日本アクセス 21,975
2 三菱食品 19,967
3 国分グループ本社 19,330
4 加藤産業 10,356
5 三井食品 6,768
6 伊藤忠食品 6,429
7 ヤマエグループHD 4,914
8 スターゼン 4,251
9 西本WismettacHD 2,752
10 トーホー 1,869

※ヤマエグループHDは食品関連+糖分・飼料畜産関連事業、トーホーはディストリビューター+キャッシュアンドキャリー事業の売上高です。シェアとは食品卸業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで食品卸市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ食品卸業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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食品卸業界 対象企業一覧

日本アクセス、三菱食品、国分グループ本社、加藤産業、三井食品、伊藤忠食品、ヤマエグループHD、スターゼン、西本WismettacHD、トーホー、ラクト・ジャパン、ユアサ・フナショク、木徳神糧、正栄食品工業、尾家産業、大光、石光商事、久世、デリカフーズHD、サトー商会、オーウイル、ジーエフシー、太洋物産、ヤマタネ、農業総合研究所、創健社、タカチホの計27社

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