FISHERIES WHOLESALE
目次
グラフは水産卸業界の業界規模(対象企業の10計)の推移をグラフで表したものです。
水産卸業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の水産卸業界の業界規模(主要対象企業10社の売上高の合計)は1兆2,046億円となっています。
水産卸業界の過去11年間の業界規模の推移
水産卸業界の過去11年の業界規模の推移を見ますと、ほぼ横ばいで推移しています。
下のグラフは水産卸大手5社の売上高の推移を示したものです。2020年のOUGホールディングスの売上高は前年比6.7%減の2,983億円、マルイチ産商は3.1%増の2,378億円、中央魚類は3.2%減の1,876億円、大水は8.6%減の1,142億円、東都水産は12.5%減の1,031億円でした。
水産卸大手5社の売上高の推移(出所:各社決算資料、グラフは業界動向サーチが作成)
マルイチ産商が直近で売上高を伸ばしていますが、全体としては横ばいから微減傾向にあります。売上高の大きさとしては、OUGホールディングスが一歩リードしています。
2020年の水産卸業界は、巣ごもり消費による内食需要の高まりはあったものの、外食などの業務用需要が減少し、全体としてはマイナスとなっています。寿司店や旅館などの需要が減ったことから、高級魚を中心とした価格の下落も目立ちます。コロナが落ち着いた2020年後半は、業務用需要も回復に向かっています。
水産卸業とは水産物を全国各地から集荷し、分荷する事業です。卸売市場や卸売業者が担います。水産物はその時の天候や状況によって漁獲量が異なり、市場価格や需給バランスが刻々と変化します。このような状況のなかで、プロの卸売業者がセリを通して適正な価格を提供し、水産物の円滑な流通を実現させます。
水産卸業界のランキングを見ますと、OUGホールディングス、マルイチ産商、中央魚類、大水、東都水産、大都魚類の売上高が高いことが分かります。水産卸業界は成熟業界なので、ここ数年ランキングの激しい変動は見られません。2019年も7社中6社が横ばいで推移しており、平年並みとなっています。
近年は、産地との直接取引や直売所、ネット販売などが増えたことにより、卸売市場を経由しない取引が増加しています。
卸売市場を経由した水産物の割合は、40年で85.5%から52.1%まで低下。卸売市場や卸売業者の数も40年前に比べて3~4割減少しています。以下のグラフは豊洲市場の取扱数量と金額のグラフですが、数量・金額ともに減少傾向にあることが分かります。
豊洲市場の取扱数量と金額の推移(出所:東京都中央卸売市場、グラフは業界動向サーチが作成)
魚介類の消費量や生産量も40年前に比べて3分の1にまで減少しました。2020年のコロナウイルスの感染拡大も加わり、水産卸売業界を取り巻く環境は大変厳しいものになっています。こうした動向を受け、水産卸各社は様々な対策を講じています。
大阪市中央卸売市場の水産卸大手のOUGホールディングスは、コロナで落ち込んだ需要を取り戻すため、市場外取引を強化。独自ルートにより量販店や外食などに販売網を拡げます。長野県を地盤とする水産卸大手のマルイチ産商は、業務の効率化と基幹システムの刷新を行い、水産流通の近代化を進めます。
水産卸大手の東都水産は麻生グループとの資本業務提携を発表。共同で魚の自動選別装置や商品管理自動化システムなどの開発で提携します。
2020年後半には、落ち込んでいた業務向けが回復しつつあり、最悪期を抜けた感はありますが、いまだに予断を許さない状況にあります。インバウンド需要も見通しは立たず、本格的な回復にはしばらく時間がかかりそうです。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | OUGホールディングス | 2,983 | 24.8 | |
2 | マルイチ産商 | 2,378 | 19.7 | |
3 | 中央魚類 | 1,876 | 15.6 | |
4 | 大水 | 1,142 | 9.5 | |
5 | 東都水産 | 1,031 | 8.6 | |
6 | ホウスイ | 832 | 6.9 | |
7 | 築地魚市場 | 666 | 5.5 | |
8 | 横浜丸魚 | 412 | 3.4 | |
9 | 中部水産 | 408 | 3.4 | |
10 | 横浜魚類 | 318 | 2.6 |