寿司業界の現状や動向、ランキングなど

いくつかの回転ずしのネタ

寿司業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを掲載しています。寿司業界の過去の業界規模の推移をはじめ、回転寿司大手3社の月次売上高の推移と各社の動向、海外展開の状況などを解説しています。

寿司業界(2022-2023年)

寿司業界の推移と基本情報

業界規模

0.7兆円

成長率

6.9

利益率

-1.0

平均年収

503万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

寿司業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近は増加傾向にあります。

寿司業界の動向と現状(2022-2023年)

2022-2023年の寿司業界は増収減益 価格転嫁に苦戦

以下のグラフは、2021年から2024年10月までの回転寿司大手3社の月次売上高の推移です。数字は前年比売上高の割合です。

回転寿司大手3社の月次売上高の推移(出所:各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、2021年から2024年9月は全体ではおおむね横ばいで推移していることが分かります。2022年半ば以降はスシローが100を下回る月が続いていましたが、2023年後半に入り100を上回る月が多く見られています。くら寿司、かっぱ寿司の2社は100を上回る水準が続いています。

回転寿司業界は大手5社のシェアが約8割と高いシェアを誇っています。その影響で地方の回転寿司チェーンの倒産が相次ぎ、大手による寡占化が進んできました。

回転寿司業界では、食材である魚のコスト割合が大きく、売上原価で4~5割を占めるとも言われています。一方で近年では、海水温の上昇や世界的な人口増加、ウクライナ危機などを背景に漁獲量の減少や魚価格の高騰が予想されています。今後もこうした動向が続くと見られ、収益性の低下が懸念されています。

2022-2023年の寿司業界は、コロナ明けに伴う経済再開の影響からイートイン需要が増加。大手回転寿司チェーンは増収となりました。一方で、魚価の高騰により収益性が低下。純利益は減収を記録する企業が増えています。高騰するコストをいかに価格に転嫁できるかが業界全体の課題と言えます。

寿司業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 FOOD & LIFE COMPANIES 2,813
2 くら寿司 1,830
3 カッパ・クリエイト 704
4 元気寿司 546
5 アトム 352

2022-2023年の寿司業界の売上高ランキングを見ますと、首位に「スシロー」を展開するFOOD & LIFE、くら寿司、カッパ・クリエイトと続きます。

2022-2023年は、『スシロー』を展開するFOOD & LIFEが対前年比16.8%増、くら寿司が24.1%増、カッパ・クリエイトが4.8%増、元気寿司が22.4%増、アトムが13.5%の増加でした。2022-2023年は大手5社中5社が増収となり、好調な1年でした。

アジアを中心に海外展開が加速 スシローは海外比率3倍も

地球を抱えている男性

大手寿司チェーンの海外進出が止まりません。

スシローは、2021年9月現在、台湾26店舗、香港11店舗、韓国9店舗、シンガポールで9店舗を展開しています。2024年には海外売上高比率を現在の3倍の21%に引き上げる目標で、台湾や中国、香港、タイなどアジアを中心に店舗数を大幅に増加させる予定です。

くら寿司では、2023年6月現在、台湾51店舗、米国47店舗を展開。2020年から2021年は新型コロナの影響もあり、出店数は鈍化していますしたが、今後は着実に店舗数を増やしてゆく予定です。

元気寿司は、業界の中では先駆けて1990年代にハワイに出店。現在ではアジアを中心にFC方式で200店舗以上を展開しています。新規出店の支援やメニューの共同開発などを行っています。

各社が海外展開を進める一方で、海外での日本の回転寿司は展開が難しいとの声も聞かれました。海外では未だ日本の寿司は職人が握るイメージが強く、機械が握る低価格の寿司に対応しきれていないのが原因とも言われています。さらに世界各国に中韓国系の安価な回転寿司店が横行していることも要因とされていました。

しかしながら、近年は世界的な日本食の人気により、そうした認識は改められるようになってきました。今はコロナにより海外展開はやりにくい環境にはありますが、今後の発展の可能性と開拓の余地はかなり残されている分野です。ポストコロナを見据えた視野の広い視点が必要になります。

外国人に人気の回転寿司 インバウンド需要が回復基調に

海外から日本に来る外国人

2020年から2022年はコロナウイルスの感染拡大により、寿司業界は苦戦を余儀なくされました。2023年に入ると、訪日外国人数は大幅に回復。円安の効果もあり、インバウンド需要は再び復活しつつあります。

世界的にコロナウイルスの感染が収縮に向かい、日本食が人気を集める中、インバウンド需要の回復は寿司業界にとって大きな追い風となります。

外国人にとって回転寿司の「ハイテクシステム」はエンターテイメント性があり、とても人気がありました。低価格で食べられ、多言語機能を備えたタブレットの利用で、日本語が話せなくても注文しやすい点が好評でした。

こうした流れを受けて、『無添くら寿司』は2019年3月に大阪で初のインバウンド向け店舗をオープンしました。大阪の「通天閣」近くに位置するこの店では、多言語対応の自動案内機や無料Wi-Fiスポット、外国人向け撮影スポットなどを備えています。

中長期的に国内の人口が減少する中で、インバウンド需要の増加は回転寿司業界にとって分水嶺となります。日本独自の文化である寿司を世界に広めるという意味でも大きな役割を果たしますし、企業業績の拡大にも一定の寄与が見込まれます。

寿司業界 ランキング&シェア

寿司業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで寿司市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

寿司業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 FOOD & LIFE COMPANIES 2,813
2 くら寿司 1,830
3 カッパ・クリエイト 704
4 元気寿司 546
5 アトム 352
6 魚力 337
7 焼肉坂井HD 230
8 銚子丸 193
9 小僧寿し 102
10 魚喜 99

※シェアとは寿司業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで寿司市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ寿司業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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寿司業界 対象企業一覧

FOOD & LIFE COMPANIES、くら寿司、カッパ・クリエイト、元気寿司、アトム、魚力、焼肉坂井HD、銚子丸、小僧寿し、魚喜の計10社

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