カラオケ業界の課題と問題点とは?

カラオケ業界のイメージ

カラオケ業界が抱えている課題についてご紹介します。この記事では、今後カラオケ業界に大きな影響を与える課題や問題の中から、重要な3つをお話しします。

カラオケ業界の課題と問題点【2021年】

2021年現在、カラオケ業界が抱えている課題は以下のとおりです。

カラオケ業界の課題1. 『人口減少』に伴うカラオケ市場の縮小

矢印を支える3人の腕

カラオケ業界が抱えている課題の1つが、『人口減小』に伴うカラオケ市場の縮小です。

国内ではすでに少子高齢化の時代に突入しています。現在、子どもの人口は減少しており、将来的にカラオケを利用する消費者も減るため、人口減少はカラオケ業界にとって大きな問題です。

近年のカラオケ市場は横ばいで推移しています。カラオケ参加人口は2000年代に4,900万人となり5,000万人を割り込みました「全国カラオケ事業者協会」の公表によると、近年では『コト消費』や高齢者の利用増などを背景とし、4,600万人から4,900万人の間で推移してきました。

しかしながら、2020年以降は新型コロナによる感染拡大の影響で、カラオケ業界は大打撃を受けています。外出自粛や感染防止対策による時短要請などによって、利用者は大幅に減少しました。2020年のカラオケ参加人口は前年から約4割の減少、一気に2,600万人までに縮小しています。

業界内では、コロナの終息後は『リベンジ消費』によって、コロナ以前の水準に回復するとの見通しを立てていますが、こうした需要は一時的であり、人口減少などの構造的要因は解消されたわけではありません。少子化高齢化による人口減少が進む国内では、将来的に市場の縮小は避けられないことが予想されています。

カラオケ業界の課題2. 『平日の昼』の稼働率の低さ

カラオケ業界の2つ目の課題が、『平日の昼』の稼働率が低いことです。

カラオケルームの稼働率は、時間帯で異なります。カラオケは飲み会後の二次会に利用する機会が比較的多く、夜の利用が高い傾向があります。一方、日中は利用客が少なく、とくに平日の昼の稼働率が低い傾向があります。

業界では稼働率の低い昼間のカラオケ利用を促しています。テレワークの利用やライブビューイングなど、平日の昼の時間帯でも需要が見込める「歌わないカラオケ」の展開で、1ルームあたりの稼働率を上げています。

カラオケ業界の課題3. 『固定費』などのコスト

男性とドルのイラスト

カラオケ業界が抱えている課題の3つ目が、『固定費』などのコストです。

大手カラオケのコスト構造を見ますと、固定費が売上の大半を占めるとされています。主な固定費は、光熱費や人件費、賃料、カラオケ機器のリース費用や著作権料金などです。

また、近年は最低賃金の引き上げによる人件費の上昇や、光熱費や原材料費なども高騰しているため、コストの上昇が利益を圧迫している状況です。

加えて、消費者の価値観やライフスタイルは変化し、消費者のニーズが多様化しています。カラオケの利用目的も二次会からママ会など幅広く、さらに、トレンドの移り変わりも早いため、内装やメニューなどは常に最新のトレンドに刷新するなど、対応に迫られています。

消費者のニーズに応える設備を充実させるためには、膨大な費用がかかります。さらに、コロナ化による利用客の減少によって、カラオケ業界の売上は大幅に縮小しています。コスト面が大きな負担となる一方で、投資費用の回収が難しい状況にあります。