コンビニ業界の課題と問題点とは?

コンビニのイメージ

コンビニ業界が抱えている課題や問題点についてお話します。この記事では、今後のコンビニ業界に大きな影響を与える課題や問題点について、重要な3つをご紹介していきます。

コンビニ業界の課題と問題点【2021年】

2021年現在、コンビニ業界が抱えている課題は以下のとおりです。

コンビニ業界の課題1. 新規出店数の鈍化、飽和状態で市場は頭打ち

グラフの降下を表す画像

コンビニ業界が抱えている課題の1つが、新規出店数の鈍化、飽和状態で市場が頭打ちになっていることです。

2021年9月現在、国内コンビニエンスストアの店舗数は5.5万店舗に達しました。店舗数だけを見ると業界の成長は順調そうに見えますが、6万弱に迫り新規出店数は鈍化傾向で、市場は頭打ちとなっています。

コンビニ業界は新規出店によって好調な業績を維持してきましたが、近年はこのビジネスモデルに変化が訪れています。

さらに、問題点は新規出店数の鈍化とともに、既存店売上高の伸び率も低下しているところです。以前は既存店の落ち込みを新規出店で補うことができました。一方、近年は同業他社をはじめ、他業種も相次いで出店を加速させているため、顧客の奪い合いにより店舗当たりの売上高が減少しています。

国内では、少子高齢化や人口減少が進んでおり、将来的に市場のパイは縮小傾向です。また、新型コロナによって人々の生活や行動が変わったこともあり、コンビニ各社は店舗拡大から収益改善に向けた、経営戦略の転換が必要となっています。

コンビニ業界の課題2. 『人手不足』と仕事量の増加

コンビニ業界が抱えている2つ目の課題が、『人手不足』と仕事量の増加です。

近年、国内のコンビニでは、食品や日用品の販売にとどまらず、宅配の受け取りや公共料金の支払いなど、様々なサービスが受けられるようになりました。

利便性が高まることは消費者にはうれしいことですが、その反面、コンビニでは店員の仕事量が増加しています。近年では、集客アップを目的とした新サービスの導入も加わり、人手をさらに必要としています。

一方、2020年以降は新型コロナの感染拡大の影響により、休業や閉店した飲食店などから働き手が流れたため、人手不足が緩和された店舗もあります。ただ、こうした状況は一時的とみられており、中長期的には働き手の確保は重要な課題です。

コンビニ大手各社はセルフレジの導入やスライド式の棚を設置するなど、店員の負担や作業時間の削減に取り組んでいます。ただ、市場が低迷するコンビニでは、集客と客単価の向上が必須のため、今後も新たに人手を要する業務が増える可能性があります。抜本的な人手不足をどう解消するのかが今後の問題点となります。

コンビニ業界の課題3. 加盟店オーナーの『高齢化・契約更新』問題

契約書にサインする画像

コンビニ業界の3つ目の課題が、加盟店オーナーの『高齢化・契約更新』問題です。

コンビニ業界では近年、加盟店の更新が問題となっています。加盟店オーナーの高齢化や後継者がいないなどを理由に契約を解約するオーナーも少なくありません。

2020年から2025年には、コンビニ全体の約3割が更新時期を迎えます。なかでも、サークルKサンクスと統合したファミリーマートにおいては、2021年の後半以降に契約更新店舗が一気に増えます。

加盟店の離脱が相次げば、コンビニ業界の縮小は避けられないため、各社は契約を見直しています。コンビニ大手では、高齢の加盟店オーナーに引き続き契約をしてもらうため、10年の契約期間に加え、新たに「5年」の制度も設けています。

また、高齢化が進む国内では新たな加盟店オーナーの確保も重要です。これには、新規の契約が進むための、本部の十分な支援と信頼作りが大きなポイントになるでしょう。今後、加盟店オーナをいかにつなぎとめられるか、いかに新規のオーナーを見つけるか、コンビニ本部の対応力が問われています。