スーパー業界の課題と問題点とは?

スーパーのイメージ

スーパー業界が抱えている課題や問題点についてお話します。この記事では、今後のスーパー業界に大きな影響を与える課題や問題点を深堀しています。重要な課題3つをご覧ください。

スーパー業界の課題と問題点【2021年】

2021年現在、スーパー業界が抱えている課題は以下のとおりです。

スーパー業界の課題1. 『少子高齢化、人口減少』に伴う市場の縮小

スーパー業界の縮小を表す画像

スーパー業界が抱えている課題の1つが、『少子高齢化、人口減少』に伴う市場の縮小です。

国内では少子高齢化が進行し、人口が減少しています。高齢化および人口減少下では、胃袋の数とサイズは縮小するため、必然的に商品の購入数量が減ります。市場縮小の要因となる少子高齢化はスーパー業界にとって大きな問題です。

少子高齢化社会を迎えるにあたり、重要な点はニーズの深堀りです。ここ数年のスーパー各社は新たな需要を取り込もうと、お惣菜の開発に力を入れてきました。共働き世帯や高齢世帯の増加による『簡単・時短』ニーズが強まっているためです。

2020年に入りコロナによる内食志向の高まりで、スーパーの需要が伸びましたが、一時的な特需と考えられています。いずれ従来の市況に戻り、コロナ禍での追い風はなくなるとみられています。国内の生産年齢人口はすでに減少に転じており、高齢者人口も2040年にはピークを迎えるため、将来的にスーパーの市場縮小が懸念されています

スーパー業界の課題2. 同業他社および他業種との競争激化

スーパー業界が抱えている課題の2つ目が、同業他社および他業種との競争激化です

いまやスーパーのライバルは同業他社にとどまらず、ドラッグストアやコンビニ、ディスカウントストアなどの他業種も競合相手の時代です。各業界の出店エリアが近く、競争が激化しています。

異業種のドラッグストアでは食品の品ぞろえを強化しており、冷凍食品やお菓子、飲料などを低価格で販売しています。さらに、ディスカウントストアにおいては、商品の種類の豊富さではスーパーに劣るものの、価格競争は長けており攻勢を強めています。

一方、コンビニにおいては、チルド惣菜や冷凍食品を強化するなど、近年増加する共働きや高齢世帯、単身世帯が求める『簡単・時短』ニーズを上手に取り込んでいます。なかでも、若い世代になると目的に合わせ、買物の場を使い分けている傾向があります

スーパー各社は差別化を図るため、PB商品の開発に力を入れていますが、この動きは異業種でも同様の動きが見られます。今後、スーパーならではのサービスを提供し、いかに異業種よりも差別化できるかが、重要なポイントとなります。

スーパー業界の課題3. ネット通販普及で『商圏の近さ』の優位性が低下

ネット通販のイメージ画像

スーパー業界の3つ目の課題が、ネット通販の普及に伴い『商圏の近さ』の優位性が低下していることです。

現在、様々な業界でネット通販が普及するなか、スーパー業界においてもオンライン販売やアプリを利用したネットスーパーを展開させています。なかでも、コロナをきっかけにネットスーパーの利用が増えています。

一方、ネットスーパーの普及によって、実店舗に行かなくとも他社の商品との比較が容易になっています。このことから、従来スーパーが武器としていた『商圏の近さ』の優位性が失われつつあります。

これはスーパーに限らず、他業種でも同様のことが言えますが、ネット通販は一つの大きな脅威となるでしょう。従来とは異なり、スーパー業界では自宅から近いという条件では集客が難しくなっています。リアルとネットの両方をうまく取り込めるかが、今後の大きな課題となります。