中古車業界の動向と現状、ランキング&シェアなど

中古車と男性

中古車業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを分析しています。データは2022-2023年。中古車業界の過去の市場規模の推移をはじめ、大手中古車会社3社の売上高の推移グラフと業界のトレンドなどを解説しています。

中古車業界(2022-2023年)

中古車業界の推移と基本情報

業界規模

1.3兆円

成長率

12.4

利益率

5.0

平均年収

473万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

中古車業界の過去の業界規模の推移を見ますと、増加傾向にあります。

中古車業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年も中古車需要は増加 一方、中古車登録台数は前年割れへ

続いて、企業ごとの動向について解説します。以下のグラフは中古車業界大手3社の売上高の推移を示しています。

中古車業界上位3社の売上高の推移

中古車業界上位3社の売上高の推移(出所:各社有価証券報告書、グラフは業界動向サーチが作成)

中古車業界3社の売上高のグラフを見ますと、全体的に上昇傾向にあるのが分かりわかります。IDOMとネクステージの2社は大きく上昇しているのに対し、ケーユーHDは緩やかに上昇しています。最近の動向を見ますと、2021年は3社ともに増加、なかでもIDOMがもっとも大きく伸びました。2022年はIDOMが豪州事業を売却した影響から減少、一方、ネクステージが大幅増収となり首位に躍り出ました。

2022-2023年の中古車業界の動向を見ますと、中古車登録台数が前年を下回る中、主要中古車企業の業績は好調に推移しました。買取台数や小売台数、卸売り台数ともに増加するなど、前年から引き続き高い中古車需要が見られました。

一方、2022年は半導体不足の影響から新車登録台数も前年割れとなり下取り車が減少、中古車の流通量も縮小しています。車種によっては中古車価格が新車価格を上回る現象が起こりました。

近年の中古車業界は、コロナ禍による車需要の高まりを受けており、コロナ禍で3密を避けようとする動きが、マイカー通勤などによる自動車需要を高めました。また、世界的な半導体不足の影響から新車の供給が落込み、納期が半年や1年先といったケースが常態化しました。高まる需要に対して供給が制限されることで、すぐに手に入る中古車に人気が集まりました。中古車業界が好調だった理由は、このような特殊要因が背景にあります。

中古車業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ネクステージ 4,181
2 IDOM 4,165
3 ケーユーHD 1,533
4 ユー・エス・エス 887
5 レッドバロン 857

2022-2023年の中古車業界売上高ランキングでは、首位がネクステージ、2位がIDOM、3位がケーユーHD、ユー・エス・エスと続きます。2022年はネクステージが首位に躍り出ました。IDOMは国内事業は好調に推移しましたが、豪州事業の売却が影響し2位に転落しています。

2022-2023年は、大手中古車の5社中3社が2ケタ増を記録しています。なかでも、ネクステージは前年比43.6%増を大幅増となりました。

新車減産で中古車価格上昇 世界的な半導体不足が影響

価格上昇のイメージ

中古車業界では近年、価格競争が激化していました。一方、直近の動向においては中古車の販売価格が上昇傾向にあります。

背景には新型コロナウイルスよる感染拡大が挙げられます。一つは感染対策として3密を避けるため、バスや電車といった公共の交通機関から自動車にシフトした人が増えたため、中古車の需要が高まりました。

さらに、アジア地域での感染拡大による自動車部品工場の停止に加え、世界的な半導体不足に伴う新車の生産台数が減少していることも要因です。コロナで中古車の需要が増加する中、新車の供給不足も加わって中古車の需給が逼迫しています。

中古車業界の動向は、主に新車販売の動向に左右されます。これは新車を購入する際に中古車を下取りに出すケースが多いためです。また、展示品や試乗用、未使用車である新古車も中古車として販売されることから、中古車市場は新車の影響を大きく受ける傾向にあります。

新車不足の状況はしばらく続くと見られ、中古車価格の高止まりが予想されます。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表によると、2022年1月から12月の新車販売台数(累計)は前年を下回りました。一方、2023年に入り前年同月比がプラスに転じ始めています。

2023年の中古車業界のニュース

2023年の中古車業界の主なニュースを厳選してまとめました。直近の中古車業界の動向を把握するのにお役立て下さい。

大手自動車メーカーもネット販売開始 中古車の販路拡大が進む

インターネットと中古車

ここ数年、中古車市場では『脱オークション化』の流れが加速し、小売りへとシフトする動きが見られます。

さらに近年、新たな取り組みとして中古車のネット販売が活発化しています。このような動向の中、自動車メーカーのトップであるトヨタ自動車が中古車のネット販売を展開し、中古車市場への参入を果たしています。

トヨタ自動車のオンライン中古車販売サイト「GAZOO」

トヨタ自動車のオンライン中古車販売サイト「GAZOO」

2020年9月にトヨタ自動車は公式の中古車オンライン販売サイトを始めました。見積もりから契約まで完結できるサービスで、24時間365日いつでも注文可能にしています。「クルマを好きなタイミングで購入したい」との声や、コロナ禍での「対面商談なし」のニーズに対応し、新たな顧客獲得を図っています。

また、中古車業界では個人間売買も活発化しています。個人間売買はネットを活用した個人間で行われる中古車取引です。大手中古車メーカーも注目の新しい流通形態で、個人間売買の仲介を担おうとする業者も増えています。個人間売買は業者間とは違い、消費税が非課税になります。

2020年8月には、楽天グループ運営の「楽天Car」で、中古車販売サイトのプラットフォームを立ち上げています。新型コロナによる経済の低迷のほか、感染予防策としてマイカー通勤や通常の移動手段としての需要が高まるとの予測もあり、車販売の強化を図ります。

消費者心理として、景気が良いときは新車に流れ、景気が悪いときは中古車に流れるという傾向が見られます。中古車業界は好況の時に恩恵をフルに得られないというデメリットがありますが、景気が悪いときには底堅いというメリットもあります。

ただし、近年は若年層の『クルマ離れ』、高齢化による免許返納、シェアリングの普及の影響により、新車・中古車を問わず自動車そのものの需要が低迷しています。こうした動向は続くものとみられ、新たな対策が必要となります。

今後、中古車市場の規模は縮小すると見られ、競争が激化することから、大手による小規模企業の買収や再編、海外展開など、様々な動きが予想されます。

中古車業界 ランキング&シェア

中古車業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで中古車市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

中古車業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

※シェアとは中古車業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで中古車市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ中古車業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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中古車業界 対象企業一覧

ネクステージ、IDOM、ケーユーHD、ユー・エス・エス、レッドバロン、グッドスピード、トヨタユーゼック、バイク王&カンパニー、アップルインターナショナル、カーチスHD、トラスト、TRUCK-ONE、アークコアの計13社

注意・免責事項

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