ホテル業界の現状や動向、ランキングなどを解説

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ホテル業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2022-2023年。ホテル業界の過去の市場規模の推移をはじめ、日本の宿泊者数推移やシティ・ビジネス・リゾートホテルの稼働率の推移グラフと各社の取り組みについて解説しています。

ホテル業界(2022-2023年)

ホテル業界の推移と基本情報

業界規模

1.4兆円

成長率

7.4

利益率

6.5

平均年収

566万円

  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

ホテル業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年、2021年は大幅に現象しましたが、2022年は回復傾向にあります。

ホテル業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の宿泊者数は前年から約43%増 ピーク時の7割回復へ

観光庁の「宿泊旅行統計調査の速報値(2023年2月末公表)」によると、2022年の国内の総宿泊者数は前年比42.9%増の4億5,397万人でした。

日本の宿泊者数とホテル稼働率の推移

日本の宿泊者数とホテル稼働率の推移(出所:観光庁、グラフは業界動向サーチが作成)

2022年のシティホテルの稼働率は50.1%、ビジネスホテルの稼働率は56.8%、リゾートホテルの稼働率は43.1%でした。2022年の稼働率は前年に比べ約4割プラスと大幅に増加し、宿泊者数もコロナ前である2019年の約7割ほどの水準にまで戻しています。一方、ホテル別で見ますと、シティホテルの回復が遅いことが分かります。

近年のホテル業界の状況をみますと、2019年までのホテル業界は、訪日外国人の増加や東京五輪需要の追い風を受けて、好調に推移していました。

しかしながら、2020年のコロナ禍で事態は一変、訪日外国人客は消失し国内旅行者の需要も激減しました。インバウンドや東京五輪に向けて、開業が続いていたホテル業界に大きな打撃を与え、稼働率は低下し地方では倒産が相次ぎました。2021年には地方観光やビジネス需要が徐々に増え回復基調となりましたが、国内外の旅行者需要は2年連続で低迷しました。

2022年から2023年のホテル業界の動向をみますと、3年ぶりに行動制限のない大型連休や旅行支援策が後押し、国内の宿泊者数は増加しました。また、入国制限が緩和された2022年10月以降はインバウンド需要も徐々に回復、国内外からの宿泊者が増えたことで、稼働率も上昇し最悪期を脱しています。

続いて、ホテル業界の売上高ランキングを見ていきます。以下は2022年のホテル業界の売上高ランキングです。

ホテル業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 西武HD 1,940
2 リゾートトラスト 1,698
3 ルートインジャパン 1,216
4 共立メンテナンス 1,009
5 三井不動産 939

※はホテル事業の部門売上高。売上高ランキングを分析しますと、主に鉄道系、リゾート系、ホテル専業、不動産系の企業に分けられます。ホテルの建設と運営は、ある程度の資本が必要となりますので、鉄道や不動産などある程度資本の大きな企業がランクインしてきます。

首位の西武HDは「プリンスホテル」のブランドで、シティホテル、リゾートホテルを展開しています。2022年9月から2023年3月かけて26施設をGICに譲渡しました。首都圏とリゾートに強く、国内外で56のホテルを有しています。

2位のリゾートトラストは、主に超富裕層、富裕層向けの会員制ホテル事業を展開しています。コロナ禍で他のホテルが苦戦している中、会員制という強みを生かし、底堅い業績を残しています。

2022年は回復傾向 23年はインバウンド再開で宿泊需要が急回復

インターネットと分析

この章では、2020年以降の新型コロナウイルスによるホテル業界の影響と動向を詳しく解説してきます。また、直近の2024年の状況も掲載しています。

以下のグラフは、2020年1月から2024年1月までのタイプ別によるホテル宿泊者数の推移です。グラフを見ることで、コロナ前後でホテルの宿泊者数がどのように変化したのかを知ることができます。

月別・タイプ別 ホテル宿泊者数の推移

月別・タイプ別 ホテル宿泊者数の推移(出所:観光庁、グラフは業界動向サーチが作成)

ビジネスホテルの動向を見ると分かりやすいのですが、2020年5月を底に回復基調にあることが分かります。増減を繰り返しながら右肩上がりで増加し、2023年9月には過去4年間で最も高い水準に達しました。直近の2024年1月の延べ宿泊者数(旅館含む)は、4,788万人でした。

2022年3月末には国内の行動制限が解除、2022年10月には全国旅行支援のスタートや、外国人旅行者の個人旅行も解禁されました。ホテル業界では、3年ぶりの行動制限のないゴールデンウィークや夏休みを迎え、コロナ禍をきっかけに平日の旅行者も増加、訪日客も回復基調となりました。

主要企業の直近の動向(2024年度第ニ四半期)を見ますと、会員制リゾートを運営するリゾートトラストでは、コロナ以前よりも宿泊客が増加し、稼働率も急回復を見せています。共立メンテナンスはリゾートホテルの稼働率と客室単価がコロナ前の水準を越えました。また、西武も邦人及び外国人客の需要が増加、利用者数が回復し稼働率が6割を超えています。

DBJ・JTBFアジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 では「コロナ後に訪れたい国ランキング」で日本が1位を獲得するなど、海外では日本旅行の人気が高まっています。さらに32年ぶりの円安水準もインバウンドを後押ししている状況です。

そして、2023年11月には訪日外客数が2,000万人を突破したことが分かりました。11月の訪日外客数は244万人と、19年同月とほぼ同水準となりました。業界では需要増加に向けた雇用の受け入れに動いています。

2022-23年のホテル業界のニュース

2022-2023年のホテル業界の主なニュースを抜粋しています。最新のホテル業界の動向を把握するのにお役立て下さい。

ホテル業界ニュース 一覧

ホテル業界 ランキング&シェア

ホテル業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでホテル市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

ホテル業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 西武HD 1,940
2 リゾートトラスト 1,698
3 ルートインジャパン 1,216
4 共立メンテナンス 1,009
5 三井不動産 939
6 東横イン 807
7 オリエンタルランド 738
8 東急 655
9 ホテルオークラ 644
10 ニュー・オータニ 528

※西武HDはホテル・レジャー事業、共立メンテナンスはホテル事業、三井不動産は施設営業事業、オリエンタルランドはホテル事業、東急はホテル・リゾート事業の売上高です。シェアとはホテル業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでホテル市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれホテル業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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ホテル業界 対象企業一覧

西武HD、リゾートトラスト、ルートインジャパン、共立メンテナンス、三井不動産、東横イン、オリエンタルランド、東急、ホテルオークラ、ニュー・オータニ、京王電鉄、阪急阪神HD、藤田観光、帝国ホテル、グリーンズ、相鉄HD、近鉄グループHD、パレスホテル、ロイヤルホテル、ロイヤルHD、ワシントンホテル、アメイズ、エイチ・アイ・エス、ABホテル、京都ホテル、アゴーラ・ホスピタリティー・…、ホテル、ニューグランド、熊本ホテルキャッスルの計28社

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