倉庫・運輸業界の動向や現状、ランキングなど

物流施設と配送用のトラック

倉庫・運輸業界の業界レポート。データは2022-2023年。ランキング、シェア、動向、現状などを研究しています。倉庫業界の過去の市場規模や普通倉庫の保管残高金額や倉庫面積の推移、最近のトレンドや動向、高機能物流施設の開発の現状などを解説しています。

倉庫・運輸業界(2022-2023年)

倉庫・運輸業界の推移と基本情報

業界規模

3.8兆円

成長率

9.8

利益率

5.5

平均年収

649万円

  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

倉庫・運輸業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2021年、2022年に大きく上昇しています。

倉庫・運輸業界の動向と現状(2022-2023年)

倉庫需要は増加傾向 インターネット通販拡大が追い風に

倉庫業界ではインターネット通販の急速な普及により貨物量が増加し、物流施設の需要が拡大しています。このような動向を受け、外資系や商社が倉庫市場に積極的に参入、加えて従来の保管型倉庫を主流とする企業も同様に、施設の新設や増床を進めています。

国土交通省によると、2022年の所管面積(年平均は、前年比6.7%増の902万平方メートル、保管残高は前年比7.3%増の2兆7,938億円となりました。

普通倉庫の保管残高金額と面積の推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)

2022年も前年同様に所管面積が拡大傾向、保管残高も引き続き高水準で推移し11年連続で2兆円台を維持しています。倉庫は商品の配送拠点としての役割を担っていますので、伸長するインターネット通販の需要拡大で倉庫の重要性が増しています。

2022年の倉庫・運輸業界の動向をみますと、医薬品や飲料、自動車部品の取扱量が増加、海上や航空輸送の手配などのFWD業務や港湾でのコンテナ取扱量も増加しました。また、新規顧客の増加や既存顧客の受託範囲も一部企業では拡大しています。コロナ禍を機にインターネット通販市場の需要が拡大、倉庫業界にとって強い追い風となっています。

一方、前年の特殊要因であった、海上コンテナ不足に伴う海上輸送からの航空機輸送への切替え需要が縮小し運賃が減少。また、東京五輪の影響で需要が増加した家電関連の取扱量に反動減がみられました。

主要倉庫会社(普通型)の2022年の業績は、三井倉庫HDが前年比0.1%減、三菱倉庫が16.8%増、住友倉庫が3.2%の減少となりました。 

倉庫・運輸業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 近鉄エクスプレス 10,809
2 三井倉庫HD 3,008
3 三菱倉庫 3,005
4 上組 2,741
5 住友倉庫 2,239

倉庫・運輸業界の売上高ランキングでは、トップに近鉄エクスプレス、2位が三井倉庫HD三菱倉庫上組住友倉庫と続きます。トップには世界46ヶ国で展開する近鉄エクスプレスが位置し、上位には三大財閥の三井倉庫HD、三菱倉庫、住友倉庫が並んでいます。

2022-2023年の倉庫・運輸業界の業績は、上位5社中3社が前年の売上高を上回りました。また、主要企業40社中32社が対前年比増、うち13社が2ケタプラスを記録しました。こうしたことからも2022年の倉庫・運輸業界は全体では堅調であったことが分かります。

施設の自動化、大型化が加速 首都圏エリアの供給増

倉庫内で作業するロボット

倉庫業界では近年、物流施設の自動化、大型化が進んでいます。背景には深刻化する人手不足が挙げられます。

インターネットの普及によって貨物量が増加する一方で、倉庫内の作業員は不足しています。慢性的な人手不足を解消すべく、各企業は設備の自動化を図っていますが、小規模クラスの倉庫では導入による費用対コストの問題が生じるため、自動化を進めにくい状況にあります。

物流施設の供給拡大の背景には異業種の参入も挙げられます。物流施設はオフィスに比べ安定収入が見込めるとして、不動産会社や商社、生命保険会社などが新たに参入、今では70社以上が参入しているといわれてます。

インターネット通販市場では配送時間を短縮する取り組みが行われています。これに伴い、需要が旺盛な首都圏を中心に物流施設の開発が急増しています。ベイエリア、外環や圏央道といったエリアは利便性がよく用地の取得競争が激しさを増す一方で、地方での開発も進みはじめています

高機能施設の開発へ 多様化する物流施設

倉庫と物流システム

近年の物流施設の供給増加により倉庫業界では競争が激化しており、展開する倉庫の多様化も進んでいます。

倉庫には複数企業が入居する『マルチテナント型』、特定の企業が限定使用する『ビルド ツー スーツ(BTS)型』に大別されますが、近年の物流施設では高機能設備を備えた施設や企業ニーズに対応した施設開発が活発化しています。

商品の特性に合わせて適切な温度管理や空調管理で保管を行う施設や、商品を保管して出荷するだけにとどまらず物流加工なども行い、付加価値を高めています。

渋沢倉庫では倉庫と研究施設が一体型化させた施設を運営、一方で三井倉庫HDでは、治験薬の保管から流通加工、出荷可否判定までを請け負っています。野村不動産では『カテゴリーマルチ型』を新たなコンセプトに『マルチ型』と『BTS型』それぞれの良さを併せ持つ施設の開発に注力しています。

近年の倉庫業界は新規に参入する企業が増加、加えて2024年にはドライバーの労働時間に上限規制が適用されます。こうしたことから首都圏では物流倉庫の大量供給が予定されていますが、一方で供給過剰が懸念されています。CBREの調査では首都圏の大型マルチ物流施設において、竣工予定施設の内定率の低下を指摘しています。今後、立地や設備、サービス等の条件によっては、テナント確保に苦戦を強いられる企業が出てくる可能性があります。

倉庫・運輸業界 ランキング&シェア

倉庫・運輸業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで倉庫・運輸市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

倉庫・運輸業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 近鉄エクスプレス 10,809
2 三井倉庫HD 3,008
3 三菱倉庫 3,005
4 上組 2,741
5 住友倉庫 2,239
6 日新 1,941
7 キユーソー流通システム 1,796
8 トランコム 1,677
9 日本トランスシティ 1,340
10 名港海運 841

※シェアとは倉庫・運輸業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで倉庫・運輸市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ倉庫・運輸業界の詳細ランキングページにジャンプします。

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倉庫・運輸業界 対象企業一覧

近鉄エクスプレス、三井倉庫HD、三菱倉庫、上組、住友倉庫、日新、キユーソー流通システム、トランコム、日本トランスシティ、名港海運、澁澤倉庫、伊勢湾海運、エーアイテイー、ケイヒン、安田倉庫、キムラユニティー、内外トランスライン、東海運、アサガミ、東洋埠頭、東陽倉庫、川西倉庫、中央倉庫、ファイズHD、日本コンセプト、サンリツ、トレーディア、兵機海運、大東港運、鈴与シンワートなどの計40社

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