家電業界の動向や現状、ランキングなど

冷蔵庫や洗濯機、掃除機などの家電

家電業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを分析しています。データは2022-2023年。家電業界の過去の推移をはじめ、白物家電とAV家電の販売額の推移グラフ、部門別の売上高ランキング、白物家電、AV機器のそれぞれの動向を詳しく解説しています。

家電業界(2022-2023年)

家電業界の推移と基本情報

業界規模

9.4兆円

成長率

4.5

利益率

3.1

平均年収

761万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

家電業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近の2021年、2022年は増加しています。

家電業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の家電業界は増加 白物は12%増、AV家電は横ばい

経済産業省の生産動態統計によると、2022年の白物家電の販売額は、前年比12.3%増の1兆2,297億円、AV家電の販売額は、同2.3%増の6,210億円でした。

白物家電とAV家電の販売額の推移

白物家電とAV家電の販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

2022年の家電販売額は白物家電は2ケタ増と伸長、AV家電が横ばいとなりました。直近の推移を見ますと、白物家電は横ばい、AV家電は減少傾向にあることが分かります。

近年の家電業界の状況を見ますと、感染症拡大の影響でネット通販が伸長しましたが、2021年には前年に増加した冷蔵庫や調理家電の反落、ルームエアコンの販売減少などが響きました。一方、欧米や中国での洗濯機、冷蔵庫、美容家電などは順調でした。また、世界的な半導体不足が継続、年後半からは原材料価格の高騰などが見られはじめました。

2022年の家電業界の動向を見ますと、調理家電や洗濯機、デジタルカメラの販売台数は増加しましたが、テレビは減少しました。海外市場では、欧州での空調や温水床暖房は昨年から引き続き順調に推移、一方で、中国ではゼロコロナ制作によるロックダウンの影響を受けました。

巣ごもり需要の恩恵は一巡し、半導体を含む部材不足の影響も一部で受けました。家電業界では円安の進行や原材料価格が高騰、価格転嫁が進み商品単価が上昇しています。

続いて、家電業界の売上高ランキングを見ていきましょう。以下は2022-2023年の家電業界の売上高ランキングです。※は部門売上高となっています。

家電業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 パナソニックHD 34,833
2 ソニーグループ 24,367
3 三菱電機 13,611
4 シャープ 4,687
5 日立製作所 3,923

※は家電関連事業の売上高。2022-2023年の家電業界の売上高ランキングを見ますと、パナソニック、ソニー、三菱電機の売上高が大きいことが分かります。東芝は白物家電事業を美的集団に売却したため、ランキングには入っておりません。

2021-2022年はランキング上位5社中3社が増収、2社が横ばいとなっています。

白物家電は洗濯機、冷蔵庫が堅調 大容量・高級化のトレンドに

洗濯機や冷蔵庫を運ぶ人たち

続いて、白物家電の動向を見ていきましょう。

経済産業省の生産動態統計によると、2022年の冷蔵庫の販売額は、前年比6.8%増の3,409億円、洗濯機は同25.2%増の2,216億円、炊飯器は同3.4%増の778億円、掃除機は14.2%増の697億円でした。

白物家電の販売額の推移

白物家電の販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

2022年は冷蔵庫と洗濯機、掃除機が前年比で増加を記録しています。また、近年の動向を見ますと、冷蔵庫と洗濯機が増加、炊飯器と掃除機は減少傾向にあることが分かります。

近年の白物家電は成熟期を迎えています。白物家電は一定の買い替えサイクルが見込まれるため安定した業界ですが、今後は人口の減少とともに市場規模が小さくなることが予想されます。

こうした中、最近では共働き世帯の増加に伴い、家事の負担を軽減してくれる「簡便・時短」家電が好評です。「まとめ洗い」や「まとめ買い」に対応した大型・高価格帯の洗濯機や冷蔵庫の売れ行きが好調で、近年のトレンドとなっています。

2022年の薄型テレビ販売額は45%増%、4年ぶりの増加も低水準

テレビと下向けのグラフ

続いて、AV家電の動向を見ていきましょう。

経済産業省の生産動態統計によると、2022年の薄型テレビの販売額は、前年比45.8%の872億円、デジタルカメラ(一眼レフ)の販売額は、同12.7%増の1,370億円でした。

AV家電の販売額の推移

AV家電の販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

一眼レフカメラは昨年に続き増加となりました。デジタルカメラは4年ぶりの増加、前年から45%増と大幅に増加しています。一方で、近年は薄型テレビの販売が深刻な状況を迎えています。2019年は前年比-39.9%、2020年は-46.2%、2021年は-9.5%と3年連続で減少を記録、2022年は+45%と大幅増となりましたが、依然として水準は低い状況です。

テレビ販売の不振の理由として、消費者のテレビ離れの動きが鮮明に表れています。

YoutubeやAmazonプライム等のインターネット動画の普及により、消費者がテレビを見る機会が減っているのも事実です。各テレビ局の視聴率も年々減少傾向にあり、「テレビの在り方そのものを問う」時代に来ているのかもしれません。

こうした動向の中、ソニーはAV家電において、高付加価値戦略を展開しています。映像や音を楽しみたいという消費者の根源的な欲求に注目し、最高画質の追及や「360 Reality Audio」の導入により、新しい音楽体験の付加価値を提供します。従来のテレビオーディオでは体験できなかった新しい価値創造を模索します。

家電業界 ランキング&シェア

家電業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで家電市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

家電業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 パナソニックHD 34,833
2 ソニーグループ 24,367
3 三菱電機 13,611
4 シャープ 4,687
5 日立製作所 3,923
6 富士通ゼネラル 3,384
7 アイリスオーヤマ 2,506
8 オムロン 1,421
9 山善 1,007
10 コロナ 853

※パナソニックHDはくらし事業、ソニーグループはエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業、三菱電機は空調・家電事業、シャープはスマートライフ事業、日立製作所は生活・エコシステム事業、富士通ゼネラルは空調機事業、オムロンはHCB事業、山善は家庭機器事業の売上高です。シェアとは家電業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで家電市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ家電業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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家電業界 対象企業一覧

パナソニックHD、ソニーグループ、三菱電機、シャープ、日立製作所、富士通ゼネラル、アイリスオーヤマ、オムロン、山善、コロナ、象印マホービン、JVCケンウッド、ドウシシャ、MTG、ヤーマン、タイガー魔法瓶、マクセル、バルミューダ、ツインバード工業の計19社

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