時計業界の動向やランキング&シェアなど

2本の腕時計

時計業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究・分析しています。データは2022-2023年。時計業界の過去の市場規模の推移をはじめ、主要時計メーカー3社の売上高のグラフ、国内・海外市場の現状やスマートウォッチの今後の動向などを詳しく解説しています。

時計業界(2022-2023年)

時計業界の推移と基本情報

業界規模

0.4兆円

成長率

5.0

利益率

4.2

平均年収

712万円

  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

時計業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に大きく落ち込みましが、2021年、2022年には増加に転じています。

時計業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の時計販売数量は13%増 2年連続プラスで回復傾向へ

経済産業省の「生産動態統計」(2023年6月末公表)によると、2022年の時計の販売数量は前年比13.3%増の1億9,577万個、販売金額は前年比13.9%増の756億円でした。

時計の販売数量と金額の推移

時計の販売数量と販売金額の推移(出所:経済産業省よりグラフは業界動向サーチが作成)

時計販売数量、金額ともに減少傾向にありましたが、2020年にはさらに減少幅が拡大しました。一方、2021年には反発、2022年も引き続き増加しており回復の兆しを見せています。

国内の時計業界はカシオ、シチズン、セイコーの3強体制となっています。3社での国内売上高シェアは90%を超えます。

時計メーカー3社の売上高の推移

時計メーカー3社の売上高の推移(各社決算発表より業界動向サーチが作成)

2023年3月決算の時計メーカーの売上高(各社時計事業の売上高)は、カシオ計算機が前年比3.4%増、シチズン時計が14.5%増、セイコーHDが36.3%増でした。カシオ計算機を除く2社が昨年から引き続き大幅増収を記録しています。

2022-2023年の時計業界を見ますと、経済活動の再開を受け個人消費が改善し、国内市場、海外市場ともに好調でした。国内では入国制限の緩和を受けインバウンド需要に回復が見られました。

また海外市場においては、中国はゼロコロナ政策の影響を受け苦戦しましたが、米国、欧州地域では販売が好調、加えて円安の進行も寄与しました。

一方、2022年に入ってからは、米国や中国経済の減速懸念、ウクライナ情勢や世界的な物価高など依然として不透明な状況が続いています。

時計業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 セイコーグループ 1,677
2 カシオ計算機 1,574
3 シチズン時計 1,500
4 リズム 72

※は時計関連の部門売上高。日本国内の時計業界のランキングを見ますと、セイコー、カシオ、シチズンの売上高が高いことが分かります。首位のセイコーは、1913年に国内初の腕時計を発売、腕時計で国内首位級を誇ります。カシオ計算機も、腕時計で高いシェアを占めます。海外売上高比率は7割を超え、アジア、日本、欧州、北米で展開しています。

シチズン時計も腕時計で高シェアを誇り、自社一貫製造に特色があります。近年では北米を中心としたEC事業も好調に推移しています。

2022-2023年は、大手時計メーカー2社が増収を記録、1社は横ばいでした。

大手メーカーの海外比率は7割超 北米、アジアで稼ぐ

グローバルで貿易を行っている様子

日本の大手時計メーカーは、これまでに品質と高性能を武器に展開してきました。品質の高い日本の時計は、海外でも高い評価を得ています。いまや大手時計メーカーの2社の売上高の7割超が海外で稼ぐビジネスモデルとなっています。

カシオ計算機が展開する『G-SHOCK』は北米やアジアなどの市場で好調に推移。セイコーの世界初のソーラーGPSウォッチ『アストロン』や、シチズンが展開する『BULOVA』、『Q&Q』は海外市場でも好調な売れ行きとなっています。

現在、日本の時計メーカーが主戦場にしているのは、北米、日本、欧州、アジアです。2021年から2023年は中国市場が消費減速のためマイナスとなりましたが、北米やアジアでの旺盛な消費が業績を下支えしました。時計業界の今後を占ううえでも、北米や中国、アジア市場の動向が非常に重要となります。

躍進するスマートウォッチ市場 シチズンがラインアップを拡充

複数のスマートウォッチ

2022-2023年は世界的な経済再開の動きから、回復傾向にある時計業界ですが、中長期的には依然として厳しい状況にあります。

世界的な高級時計メーカーや高級ブランド企業、中国製の安価な時計の普及、さらにスマートフォンやスマートウォッチなどの代替製品の浸透など、日本の時計メーカーには数多くの競争相手が存在します。

なかでも『アップルウォッチ』の登場により、スマートウォッチ市場は勢いを増しています。一時は勢いを失ったものの、ヘルスケア機能搭載や健康志向の高まりを受け、再びスマートウォッチの需要が高まっています。

こうした市況により、国内時計メーカーもスマートウォッチ市場へ本格参入を始めています。

2021年6月、シチズンはIoTプラットフォーム『Riiiver(リィイバー)』対応腕時計のラインナップを拡充すると発表。今後は『CITIZEN CONNECTED』ブランドとして展開していきます。各種製品とアプリとの連携も進めており、今後の展開が注目されます。

2021年5月、カシオはスマートウォッチ『GSW-H1000』を発売しました。『GSW-H1000』はスポーツに特化した"G-SQUAD"シリーズの最上位モデルで、心拍数や走行ルート・距離などスポーツに関する様々な情報を計測し、アプリに送信します。

今後もスマートウォッチ市場は成長が期待されており、業界の中でも注目のセグメントとなります。

時計業界 ランキング&シェア

時計業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで時計市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

時計業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 セイコーグループ 1,677
2 カシオ計算機 1,574
3 シチズン時計 1,500
4 リズム 72

※セイコーグループはエモーショナルバリューソリューション事業、カシオ計算機、シチズン時計は時計事業、リズムは生活用品事業の売上高です。シェアとは時計業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで時計市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ時計業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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時計業界 対象企業一覧

セイコーグループ、カシオ計算機、シチズン時計、リズムの計4社

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