教育業界の動向や現状、ランキングなど

山積みの本

教育業界の動向や現状、ランキングやシェアなどを研究しています。データは2022-2023年。教育業界の過去の業界規模の推移をはじめ、学習塾と生徒数の推移グラフ、英会話など社会人向け教育業界の動向などを解説しています。

教育業界(2022-2023年)

教育業界の推移と基本情報

業界規模

1.0兆円

成長率

1.2

利益率

4.0

平均年収

548万円

  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

教育業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近は横ばいで推移しています。

教育業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の学習塾売上は5,500億円 コロナ禍から回復へ

教育業界は学生を対象とした進学向けと、語学教室などのキャリアアップを目的とした社会人向けの2つに分けられます。

まずは進学向け教育業界の動向から解説していきます。経済産業省「特定サービス産業動態統計調査(2023年2月公表)」によると、2022年の学習塾の売上高は前年比0.6%増の5,549憶円、受講者数は前年比0.2%減の1,467万人でした。授業料は単価上昇によりプラス、受講者数は微減で推移しました。

学習塾の売上高と生徒数の推移

学習塾の売上高と生徒数の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、2019年までは売上高、生徒数ともに横ばいで推移していましたが、2020年から2021年にかけて増加に転じています。なかでも、2021年の増加率は過去10年間で最も高い水準でした。一方、2022年は前年から横ばいで推移しています。

2022-2023年の教育業界を見ますと、生徒募集時期と感染症拡大の時期が重なりましたが、オンライン授業と特別講習の組み合わせにより顧客単価が上昇しました。また、AIを利用した個別学習指導や講座も充実させています。一方、通信教育においては、一部の企業で在籍者数の減少が見られています。

教育業界ではオンラインを活用したサービスに力を入れています。コロナを機に『GIGAスクール』構想(児童生徒に1人1台の端末の配布と高速ネットワーク設備対応)による、教育のICT化を進める取組みが前倒となりました。オンライン授業を実施する学校が増加し、タブレット端末を持つ家庭が増えたため、企業側はオンラインサービスを提供しやすくなりました。

進学向けの動向を見ますと、大都市圏では中高一貫校への人気が高く、中学受験の需要が増加しています。そのため、少子化による影響で子供の数は減少傾向にありますが、市場は堅調な伸びを見せています。ただ、生徒数は増減を繰り返しており、長期的には横ばい傾向にあります。

また、2018年からトレンドが大きく変化し『集団指導塾』から『個別指導塾』への人気が高まりました。それぞれメリット、デメリットがあり、「個別指導」は生徒数を1~3人に絞り、きめ細かいフォローが特徴的ですが、授業料が高いことがデメリットです。一方、『集団指導』は個別指導に比べフォローは劣りますが、授業料が安いのが特徴です。

近年は少子化の影響で、子供の教育にかける費用が増加傾向にあります。こうしたことから、授業料は高くても充実した質の高い授業を受けられる『個別指導塾』への人気が高まっています。

首都圏や関西で個別指導塾を展開する「東京個別指導学院」では、対面とオンラインの授業を両立させたハイブリッド授業を提供。加えてオールオンラインでの個別指導も行っています。「TOMAS」を展開するリソー教育は、完全1対1の進学個別指導システムで質の高い教育サービスを提供しています。

ただ、個別指導塾のすべてが順調というわけではなく、おもに受験に強いなど進学に力を入れた塾に需要があります。そのため、集団指導塾のなかには、県内上位校や難関校の受験に強い、「ステップ」や「早稲田アカデミー」、「学究社」などが業績を伸ばしています。

教育業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ベネッセHD 4,118
2 学研HD 1,560
3 ヒューマンHD 915
4 ナガセ 523
5 JPホールディングス 355

2022年の教育業界売上高ランキングを見ますと、トップがベネッセHD、2位が学研HD、3位がヒューマンHD、ナガセ、JP HDと続きます。首位のベネッセHDは通信教育において最大手、「進研ゼミ」の他、対面塾の「東京個別指導学院」や「お茶の水ゼミナール」を展開しています。

2022-2023年の教育業界の業績は、5社中2社が増加、3社が横ばいでした。前年からの反動減が見られたものの、全体では横ばいで推移するなど堅調な一年でした。

2022年の外国語教室の受講生は8.8%減 企業向けは回復傾向

外国語のレッスン教材

続いて、語学向け市場の動向です。グローバル化の進展や訪日外国人の増加、大学受験および小学校での英語教育必修化などに伴い、外国語のニーズが増加しています。

経済産業省「特定サービス産業動態統計調査(2023年2月公表)」によると、2022年の外国語会話教授業の売上高は前年比16.2%減の633億円、受講生数は同8.8%減の420万人でした。

外国語会話教授業の売上高と受講者数の推移

外国語会話教授業の売上高と受講者数の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

外国語教室の売上高と受講生数の推移グラフを見ますと、2019年までは売上高、受講生数ともに緩やかに増加、2020年は新型コロナウイルスの影響で大幅減少に転じました。2021年には一時的に売上が増加に転じましたが、2022年はさらに受講生数が減少、売上も大幅に縮小しており、2019年のピークから減少傾向にあります。

2022年の外国語教室は、個人向けのオンライン英会話需要が縮小した一方で、法人や教育機関けにおいては売上高が増加しています。外国語教室を取り巻く環境は、2020年後半以降、長期化した渡航制限が影響し、海外出張や旅行の機会が縮小しました。また、来日の機械も減ったことも加わり、外国語のニーズが縮小しました。

一方、外国語のなかでも英会話教室の需要は個人のみならず、企業からも高いニーズがあります。国内の企業では相次ぐ海外進出や、一部の企業が社内公用語を英語にするなど、英語学習の必要性が拡大しています。

外国語学習の授業形式には、2~6人ほどの少人数制やマンツーマン、さらに対面式やオンライン式があります。また、高校生以上が対象の「成人向け」、子供が対象の「幼児から中学生向け」などにも分かれています。

オンライン英会話サービス最大手の「レアジョブ」では、フィリピン人講師による遠隔レッスンや、AIによる自動採点などを行っています。一方、ベネッセHDは2022年2月に外国語教室「ベルリッツ」を売却しています。低価格オンライン教室の台頭や、新型コロナの影響も加わり近年は業績不振が続いていたためです。

近年は、企業のジョブ型採用や、社会人の学び直し「リカレント市場(リスキリング)」が伸びています。英会話教室においても企業の一定ニーズがあることから、外国語教室の需要は今後も底堅いことが予測されます。

教育業界 ランキング&シェア

教育業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで教育市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

教育業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ベネッセHD 4,118
2 学研HD 1,560
3 ヒューマンHD 915
4 ナガセ 523
5 JPホールディングス 355
6 リソー教育 314
7 早稲田アカデミー 307
8 スプリックス 293
9 京進 254
10 東京個別指導学院 217

※シェアとは教育業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで教育市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ教育業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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教育業界 対象企業一覧

ベネッセHD、学研HD、ヒューマンHD、ナガセ、JPホールディングス、リソー教育、早稲田アカデミー、スプリックス、京進、東京個別指導学院、ウィザス、TAC、明光ネットワークジャパン、市進HD、ステップ、学究社、成学社、秀英予備校、ジェイエスエス、ビジネス・ブレークスルー、幼児活動研究会、進学会HD、城南進学研究社、レアジョブ、昴、クリップコーポレーション、すららネット、エス・サイエンスの計28社

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