メガネ業界の動向や現状、ランキングなどを解説

黒い眼鏡

メガネ業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。メガネ業界の過去の市場規模の推移をはじめ、大手眼鏡メーカー3社の売上高の推移、2022-2023年の動向とトレンド、海外展開の状況と今後の取り組みなどを解説しています。

メガネ業界(2022-2023年)

メガネ業界の推移と基本情報

業界規模

0.2兆円

成長率

0.9

利益率

0.1

平均年収

501万円

  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

メガネ業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に減少していますが、近年は回復傾向にあります。

メガネ業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の眼鏡業界は微増 生産コスト増加、値上げで利益確保へ

下のグラフは、2016年から2022年までの大手メガネメーカー3社の売上高の推移を示したものです。

メガネメーカー3社の売上高の推移(出所:各社決算資料、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフによると、2016年から2019年までは各社増加傾向にありましたが、2020年は減少に転じ、2021年には一転して増加しました。2022年は前年から微増ながらも引き続き増加を維持し、回復傾向にあることが分かります。

2022年の眼鏡業界は、感染者数の増減が客足に影響を与えたものの、国内市場は回復傾向にあります。なかでもコロナ禍で落ち込んでいたサングラスの販売が伸長しました。海外市場は東南アジアや台湾では堅調でしたが、中国においてはゼロコロナ政策による都市封鎖が客足に大きな影響を与えました。米国では物価高騰のあおりを受けた不採算店を閉鎖し、ECにシフトする動きが見られました。

また、2022年に入り原油や原材料、運送費が高騰、加えて急激な円安でコストが上昇し粗利益の低下を招いています。メガネメーカー各社はレンズやフレームを値上し、一部無料提供品の有償化を実施しています。

近年、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの電子デバイスの普及により、眼精疲労や若年層のスマホ老眼が増加しています。また、ファッションの一部としてアクセサリー感覚でメガネを身に着ける消費者も増加し、高齢化に伴う老眼鏡や遠近両用眼鏡などの需要増で市場は拡大しています。

一方、「JINS」や「Zoff」のような、低価格帯店舗が順調に伸びており、単価の下落による市場の縮小が懸念されています。加えて、雑貨やアパレル店においてもサングラスやフレームが低価格で販売されていることも、単価下落の要因に挙げられます。メガネ業界では販売価格の競争も激しくなっているうえに、商品の同質化も進み訴求力の低下が見られています。各社で価格改定を行っていますが利益確保が難しい環境になりつつあります。

メガネ業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 メガネトップ 851
2 ジンズHD 669
3 パリミキHD 474
4 ゾフ 290
5 ビジョナリーHD 270

※ゾフは2020年の売上高。2022年の眼鏡業界の売上高ランキングを見ますと、首位がメガネトップ、2位がジンズ、パリミキHDと続きます。

「眼鏡市場」を展開のメガネトップは、国内に1,021店舗(2023年3月現在)を展開。自社工場を有し、業界では唯一製販体制を持つ企業。海外事業は2020年3月に海外1号店を台湾に出店しています。2位のジンズHDは「ジンズ」ブランドを展開。国内では481店舗を、海外では244店舗を出店し、全売上高のうち77%を国内事業が占めます。海外事業は中国を軸に台湾、香港、アメリカ、フィリピンに進出しています。

2022-2023年の眼鏡業界の業績を見ますと、5社中1社が増加、4社が横ばいでした。コロナ前の水準を上回ったのはメガネトップとジンズHDの2社のみでした。

機能とデザインの両立へ 『メガネスーパー』きめ細かな接客が奏功

メガネとビジネスマン

ここ数年のメガネ業界で人気を集めていたのが、スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトカットメガネ『PCメガネ』です。先駆者であるジンズHDの『JINS PC』は、大ヒットを記録、他社もこの流れに追随しPCメガネ競争が起こりました。

現在ではPC用メガネ需要も一服し、各社はUVカットやスポーツ用眼鏡など、新たな機能性メガネの開発を行っています。また、老眼鏡を必要とする年齢層や目の健康を意識する消費者も増加傾向にあるため、中高年に向けたきめ細かなサービスが必要になっています。

メガネはファッションアイテムとしての地位も獲得し、一人で複数持つ消費者も増えています。現在のメガネ業界においては、機能性とデザイン性の両立が重視されています。

こうした消費者の動向を受け、ジンズHDは独自のSPA方式による低価格路線を確率しています。『JINS PC』はデザインや機能を刷新し名称も「JINS SCREEN」に変更。その後も、花粉症対策用や軽さを重視した5.9gのフレーム、一本2役のサングラス、耐熱性でレンズがくもりにくいサウナ向けなど、新たな機能性メガネを次々と提案しています。

同社は近年、バイオレットライトを用いた「近視進行抑制メガネ型医療機器」を坪田ラボと共同開発しており、2024年の販売を目指しています。

OWNDAYSは、「メガネのファストファッション」をコンセプトに、ファッション性とデザイン性を高める方向に舵を切っています。値段はフレーム価格のみと明確で、特に30~40代の男性からの支持を得ています。

「メガネスーパー」を展開するビジョナリーHDの躍進も目立ちます。「低価格路線」から「顧客のニーズを丁寧に聞き取るスタイル」へ方向転換したことが功を奏し、見事に業績を回復させました。「目の健康寿命の延伸」を掲げ、最大40項目もの検査ができるというきめ細かな接客が好評で、40歳以上の中高年に人気があります。

海外進出が今後の成長のカギとなるか アジア圏の進出加速

ここ数年、メガネ業界は海外への展開を加速させています。今後の持続的な経営を可能にしていくには、グローバル展開は欠かせないものとなっています。

「JINS」を展開するジンズHDは2010年に中国に進出、2015年には米国および台湾へ進出しました。2018年にはフィリピン、香港へ進出し、海外店舗数は2024年1月現在244店舗を展開しています。一方、米国においては2022年8月にサンフランシスコの旗艦店を閉店し、EC販売を軸に事業拡大を進めています。

「パリミキ」が主力のパリミキHDは、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカに進出し、2023年3月現在103店舗を展開しています。

OWNDAYSは中国と韓国を除く、アジアを中心に出店。台湾、香港、インドネシア、ベトナム、シンガポール、タイ、インド、カンボジア、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなど12ヶ国で533店舗(国内含む)を展開し、海外出店を加速させています。2021年11月中旬にはUAEに進出、今後はアフリカへの出店も発表しています。

Zoffは、中国、シンガポール、香港のアジアへ出店し、2023年1月現在、36店舗を展開。そのうち中国には17店舗を出店しており、東南アジア市場での拡大を目指しています。一方でメガネトップは他社に比べ海外展開は出遅れており、2020月3月の台湾出店が海外初進出となります。2024年3月現在、台湾では計24店舗を展開しています。

国内では今後、少子高齢化による人口減少に加え、低価格帯路線の店舗拡大を背景に、市場は縮小する可能性があります。こうした市況から、メガネ業界では今後も人口の増加や経済成長が期待できる海外での展開が進むことが予想されます。

メガネ業界 ランキング&シェア

メガネ業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでメガネ市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

メガネ業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 メガネトップ 851
2 ジンズHD 669
3 パリミキHD 474
4 ゾフ 290
5 ビジョナリーHD 270
6 愛眼 141

※シェアとはメガネ業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでメガネ市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれメガネ業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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メガネ業界 対象企業一覧

メガネトップ、ジンズHD、パリミキHD、ゾフ、ビジョナリーHD、愛眼の計6社

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