靴業界の動向、ランキング、現状など

複数のスニーカーや革靴

靴業界の業界レポート。データは2022-2023年。動向や現状、シェア、売上高、純利益、勤続年数、平均年収等のランキングを掲載しています。対象企業の過去の業績を追うことで靴業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。

靴業界(2022-2023年)

靴業界の推移と基本情報

業界規模

0.5兆円

成長率

-1.0

利益率

2.0

平均年収

460万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

靴業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に大幅に減少しましたが、2022年には回復に転じています。

靴業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の靴販売額は増加に 経済再開が追い風

経済産業省生産動態統計によると、2022年の革靴の販売金額は前年比7.3%増の501億円、ゴム底布ぐつは前年比5.3%増の278億円でした。

靴の販売金額の推移

靴の販売金額の推移(出所:生産動態統計年報、グラフは業界動向サーチが作成)

靴の販売金額の推移を見ますと、2021年まで減少傾向にありましたが、2022年は革靴、ゴム靴ともに増加となりました。靴の販売額は中長期的に下落トレンドにありましたが、2022年は下げ止まりとなっています

近年の靴業界では、健康志向の高まりから、ウォーキングやランニングなどのスポーツシューズ、スニーカーの売れ行きが好調でした。さらに、ファッションのカジュアル化が進んだことで『スニーカーブーム』が到来、靴業界の業績を後押ししています。

一方、婦人靴、紳士靴はともに消費額が減少傾向です。ここ数年はビジネスでもインフォーマル化が進み、安価でカジュアルなデザインの靴が台頭、単価を押し下げる要因となっています。

近年ではスポーツシューズの需要は高まっているものの、今のところ市場全体を押し上げるほどには至っておらず、靴の市場は全体的に縮小傾向にあります。

そんな中、靴業界に追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスの蔓延です。コロナの拡大に伴い、外出を控える消費者の広がりでビジネス向けの靴が低迷。さらに、冠婚葬祭の縮小で比較的高額なフォーマル向けの靴の販売も苦戦しました。

一方、2021年後半-2023年の経済活動の再開に伴い、スニーカー以外の革靴などの商品が盛り返しを見せています。経済活動が本格化する今後、どのような推移を見せるのか注目が集まります。

ABCマートの一人勝ち状態続く 売上高、店舗数も増加へ

売上高のグラフと人

好調な業績を記録している靴業界ですが、業績を牽引しているのは靴小売り首位のエービーシー・マートの存在です。

他社の業績が伸び悩む一方、ABCマートが業績を拡大してきました。2021年2月期決算では、新型コロナの影響を受けたことにより、連続過去最高益は途絶えることとなりましたが、長期的には増加傾向にあります。一方で、このような状況下においても店舗数は着実に伸ばしており、2023年2月現在、国内1,074店舗のほか、海外では韓国や台湾を中心に383店舗を展開しています。

ABCマートの売上高と店舗数の推移

ABCマートの売上高と店舗数の推移(エービーシー・マート公表値、グラフは業界動向サーチが作成)

国内の個人消費が低迷する中、ABCマートは着実に店舗数を増やしています。同社は店舗業態を3つに分けて展開。「グランドステージ」は大都市向けの旗艦店、「プレミアムステージ」はワンランク上の品質となる品揃え、「メガステージ」では豊富な品揃えでファミリー層向けにするなど、商環境に合わせた展開で集客を図っています。

また、各靴メーカーでは「ナショナルブランド(NB)」の靴を提供しつつ、自社企画商品「プライベートブランド(PB)」の靴を増やしています。そのなかでもABCマートがPB商品の靴の開発に力を入れており、顧客にとって訴求力が高い商品を提供しています。

利益率の高いPB商品の開発は、収益性の向上に貢献しています。実際にABCマートの営業利益率は、10%台後半を維持しており、他社よりもはるかに高い数字を記録しています。また、自社で靴を企画・開発することにより、消費者ニーズをうまく商品に反映させることができ、ニッチな需要を掘り起こすことができます。

ABCマートは他社同様、東京五輪延期や新型コロナウイルスの影響は受けているものの、靴の小売市場においては、ほぼ独占状態と言えるでしょう。2020年には売上高が一時的に減少しましたが、2022年には売上高、店舗数ともに増加傾向にあります。業界をリードする企業ですので今後、どのような動きになるか注目が集まります。

靴業界 ランキング&シェア

靴業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで靴市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

靴業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 エービーシー・マート 2,900
2 チヨダ 921
3 ジーフット 656
4 リーガルコーポレーション 225
5 ダブルエー 175
6 ヒラキ 142
7 アキレス 113
8 ジェイドグループ 104

※アキレスはシューズ事業の売上高です。シェアとは靴業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで靴市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ靴業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

関連リンク

靴業界を見た人は他にこんなコンテンツも見ています。関連業種の現状や動向、ランキング、シェア等も併せてご覧ください。

靴業界 対象企業一覧

エービーシー・マート、チヨダ、ジーフット、リーガルコーポレーション、ダブルエー、ヒラキ、アキレス、ジェイドグループの計8社

注意・免責事項

靴業界の動向や現状、ランキング、シェア等のコンテンツ(2022-2023年)は上記企業の有価証券報告書または公開資料に基づき掲載しております。靴業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書や公開資料にてご確認ください。