ディスカウントストア業界の動向や現状を分析

ディスカウントストアの店内

ディスカウントストア業界の業界レポート。動向や現状、シェア、売上高、純利益、勤続年数、平均年収等のランキングを掲載しています。データは2021-2022年。対象企業の過去の業績を追うことでディスカウントストア業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。

ディスカウントストア業界(2021-2022年)

ディスカウントストア業界の推移と基本情報

業界規模

3.6兆円

成長率

8.7

利益率

2.4

平均年収

526万円

  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

ディスカウントストア業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2013年から2021年まで増加傾向にあります。

ディスカウントストア業界の動向と現状(2021-2022年)

拡大を続けるディスカウント業界 消費者の「生活防衛意識」高まる

2021-2022年のディスカウントストア業界上位5社の業績を見ますと、売上高はPPIH(旧ドン・キホーテHD)が前年比7.2%増、オーケーが同3.2%増、トライアルが±0%、サンドラッグ(ディスカウント事業)が5.6%増、大黒天物産が1.2%増と、上位5社の売上高は揃って前年比増加を計上しています。

ディスカウントストアは、食品や衣類、家具、家電、日用品などの幅広い商品を取り扱い、低価格で販売するスタイル。一次問屋や二次問屋といった中間マージンを排除したり、店内のディスプレイを簡素化することで、商品をできるだけ安く提供することに重きを置いています。

国内のディスカウントストア業界を見ますと、首位のPPIH(旧ドン・キホーテHD)が断トツの売上高を誇ります。2022年6月決算では33期連続の増収増益を記録しました。

同社は2021年も新型コロナの影響によって、引き続きインバウンド需要が激減しています。例年に比べて苦戦はしたものの、早期梅雨明けによる季節商品の需要好調や、PB商品の開発やOEM(委託生産)の強化などが記録更新に寄与しました。

一方、2022年10月には海外からの水際対策が緩和されました。これにより、予想を上回るインバウンド需要の回復が見られています。また、外出やイベント需要の回復、物価上昇にともなう消費者の生活防衛意識の高まりで、PB商品が功を奏しています。

PPIHは、電子マネー「majica」と「majicaアプリ」を提供しており、2022年7月には会員数1,000万人を突破しました。近年は売り場面積の狭い小型店舗を展開し、駅や空港、高速道路などにも出店を増やしています。また、海外展開もしており、アジア地域においては「DON DON DONKI」を出店しています。

ディスカウントストア業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 パン・パシフィック・インタ… 18,312
2 オーケー 5,249
3 トライアルHD 4,251
4 サンドラッグ 2,698
5 大黒天物産 2,241

※は部門売上高。ディスカウントストア業界の売上高ランキングでは、パン・パシフィック・インターナショナルが2位以下を大きく引き離し独走状態です。ドン・キホーテを展開する同社は2021年4月に米国の高級スーパー「Gelson's」運営のGRCY HDを買収、さらにASEAN地域への出店を加速させています。

2021年のディスカウント業界の業績は、主要企業9社中6社が対前年比で増加を記録しました。前年に比べ、コロナ特需や巣ごもり需要の反動減が見られた企業もありますが、全体では2019年の水準を上回っています

ディスカウントストア需要増加も、他業界との垣根なくなり競争激化

上昇するイメージ

現在、堅調な推移を見せているディスカウントストア業界ですが、国内の景気の先行きがより不透明になればさらなる需要の増加も予想されます。

近年のディスカウント業界の動向を見ますと、2020年から2021年においては、生活用品や食品のみならず、新型コロナウイルスの感染拡大を機にマスクやアルコール消毒液といった衛生用品の販売量が急増しました。

また、ディスカウントショップでは、食品の需要が高まっています。サンドラッグが展開する「ダイレックス」では、生鮮食料品の導入および、食料品の販売強化などに取り組んでいます。

一方、近年では100円均一、格安スーパーをはじめ、ドラッグストアや家電量販店でも、食品や日用品を多く扱うようになり、業界の垣根が消えつつあります。業界内のみならず業界外でも競争が激しくなっています

2022年に入りウクライナ危機や円安の進行などを受けコストが高騰しており、幅広い分野で値上げが行われています。こうしたことからも今後、消費者の節約志向が高まり、企業間での価格競争も激しくなることが予想されます。また、消費者の見る目も厳しくなっており、低価格でも高品質なものや食品の鮮度の良さといった、商品のクオリティも重要となってきます。

ディスカウントストア業界 ランキング&シェア

ディスカウントストア業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでディスカウントストア市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

ディスカウントストア業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 パン・パシフィック・インタ… 18,312
2 オーケー 5,249
3 トライアルHD ※1 4,251
4 サンドラッグ ※2 2,698
5 大黒天物産 2,241
6 ミスターマックス・HD 1,248
7 PLANT 962
8 Olympicグループ 926
9 マキヤ 691

※1トライアルHDは2020年の売上高です。※2サンドラッグはディスカウントストア事業の売上高です。シェアとはディスカウントストア業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでディスカウントストア市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれディスカウントストア業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

関連リンク

ディスカウントストア業界を見た人は他にこんなコンテンツも見ています。関連業種の現状や動向、ランキング、シェア等も併せてご覧ください。

ディスカウントストア業界 対象企業一覧

パン・パシフィック・インタ…、オーケー、トライアルHD、サンドラッグ、大黒天物産、ミスターマックス・HD、Olympicグループ、PLANT、マキヤの計9社

注意・免責事項

ディスカウントストア業界の動向や現状、ランキング、シェア等のコンテンツ(2021-2022年)は上記企業の有価証券報告書または公開資料に基づき掲載しております。ディスカウントストア業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書や公開資料にてご確認ください。