パチンコ業界(製造・卸)の動向や現状、ランキングなど

パチンコマシン

パチンコ(製造)業界の動向や現状、ランキングなどを分析しています。パチンコホールの売上高と設置台数の推移グラフと直近の動向などを解説しています。

パチンコ(製造)業界(2022-2023年)

パチンコ(製造)業界の推移と基本情報

業界規模

0.6兆円

成長率

14.0

利益率

13.2

平均年収

717万円

  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

パチンコ(製造)業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年まで下落傾向にありましたが、2021年、2022年は増加に転じています。

パチンコ(製造)業界の動向と現状(2022-2023年)

2023年の大手製造メーカー業績回復 一方、長期では縮小傾向に

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、2022年のパチンコホールの売上高は前年比2.4%増の2兆5,562億円でした。

パチンコホールの売上高と設置台数の推移

パチンコホールの売上高と設置台数の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、パチンコホールの売上高が長期的に減少傾向にあることが分かります。2020年は新型コロナによる営業自粛が響き大幅減、経済再開が見られた2021年も引き続き減少しています。2022年は微増でしたが、過去10年間で5割近い縮小が見られています。一方、設置台数は中長期的には横ばいです。

全国のパチンコ及びパチスロのホール数は年々減少傾向にあります。矢野経済研究所の調査によると、2022年のパチンコホール閉店数は774店舗となり、閉店数は昨年から増加しています。

そして、パチンコ業界ではパチンコやスロットの遊戯機の販売数も縮小しています。近年のパチンコ業界が縮小している背景として、規制強化に加えて、国内の遊戯人口の減少、若年層のパチンコ離れ、パチンコ依存症の社会問題化などが挙げられます。

このような状況の下、さらなる追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスです。コロナ禍では、集客数の減少に加えて休業を余儀なくした店舗もあり、パチンコ業界は苦しい環境に置かれました。

一方、2022年のパチンコ業界の動向を見ますと、規制見直しにともない大手製造メーカーでは遊技機の販売台数が増加しました。パチンコ機においては人気タイトルが牽引しています。また、パチスロにおいては、メダル獲得枚数上限の規制見直しに対応した機器や、同年11月に投入されたメダルに触れない新たな機種「スマートスロット(スマスロ)」が好調でした。

2023年4月からは「スマートパチンコ(スマパチ)機」の導入が開始しました。今後、しばらくは規制改正の想定がないことや、スマート遊戯機の普及も本格化していくため、市場の活性化が期待されています。一方、ホールの大型化が進んでいますが、遊技機の販売台数や店舗の減少が懸念されています。

パチンコ(製造)業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 SANKYO 1,572
2 円谷フィールズHD 1,171
3 セガサミーHD 942
4 ユニバーサルエンターテイ… 682
5 平和 506

※はパチンコ製造関連事業の売上高。2022-2023年のパチンコ(製造)業界の売上高ランキングでは、首位にSANYO、2位に円谷フィールズHD、3位にセガサミーHDと続きます。トップのSANYOは、海物語のほか聖闘士星矢などのパチンコやスロットを手掛けます。円谷フィールズHDは、エヴァンゲリオンやウルトラマンなどのシリーズを展開、10年に映像制作会社を買収し、コンテンツ事業も展開しています。

2022年のパチンコ製造メーカー3社の業績は、SANYOが前年比85.4%増、円谷フィールズHDが同23.4%増、セガサミーHDは24.3%増でした。2022年は3社ともに大幅増を記録するなどパチンコ製造メーカーにとって好調な1年となりました。

若年層のパチンコ離れなど逆風が続く 一方、規制見直しの動きも 

規制強化のイメージ

パチンコ業界は、「パチンコ依存症」など社会問題を有する業界でもありました。

厚生労働省の調査によると、日本のギャンブル依存症の推定値は約320万人。生涯で依存症が疑われる状態にある人は3.6%と推計。世界の有病率の平均は1%ほどですので、日本が世界に高い数字であるかが分かります。

こうした流れを受け、パチンコ業界を取り巻く規制は年々強化されてきました。

ギャンブル性の高い機種(大当たりの確率を抑えるやフィーバー時の大入賞口開閉時間の規制)への規制、改正貸金業法の影響(パチンコ店周辺の消費者金融の融資の減少)、景観の悪化による地方自治体の条例規制(新規店舗の出店規制等)などパチンコ業界を取り巻く規制は年々強化されています。

規制強化の影響に加え、若年層のパチンコ離れ(スマホゲーム等へのシフト)も加わり、製造販売、ホール運営ともに減少を続け、近年のパチンコ業界は縮小傾向にあります。

一方、2022年にはパチンコの初当り確率の制限が「1/320から1/350」に変更され、スロットのメダル枚数の上限も緩和されるなど、規制の見直しが行われています

依存症などの課題もありますが、業界内では規制見直しやスマートスロットおよびスマートパチンコの導入を商機と捉え、需要拡大を期待しています。

パチンコ(製造)業界 ランキング&シェア

パチンコ(製造)業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでパチンコ(製造)市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

パチンコ(製造)業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 SANKYO 1,572
2 円谷フィールズHD 1,171
3 セガサミーHD 942
4 ユニバーサルエンターテイ… 682
5 平和 506
6 藤商事 348
7 ダイコク電機 318
8 アクセル 144
9 マースグループHD 133
10 オーイズミ 106

※セガサミーHD、ユニバーサルエンタ、平和は遊技機事業、アースグループHDはアミューズメント関連事業、オーイズミは機器事業の売上高です。シェアとはパチンコ(製造)業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでパチンコ(製造)市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれパチンコ(製造)業界の詳細ランキングページにジャンプします。

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パチンコ(製造)業界 対象企業一覧

SANKYO、円谷フィールズHD、セガサミーHD、ユニバーサルエンターテイ…、平和、藤商事、ダイコク電機、アクセル、マースグループHD、オーイズミ、マミヤ・オーピー、サン電子

の計12社

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