段ボール業界の動向やランキングなど【2021-22年】

段ボールの画像

段ボール業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを分析しています。データは2021-2022年。段ボール業界の過去の市場規模の推移をはじめ、段ボールの販売量と販売金額の推移、2020-2022年の業界の動向と段ボールメーカーの海外展開の動きなどをご紹介します。

段ボール業界(2021-2022年)

段ボール業界の推移と基本情報

業界規模

0.8兆円

成長率

-1.3

利益率

4.3

平均年収

598万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

段ボール業界の過去の業界規模の推移を見ますと、近年は横ばいで推移しています。

段ボール業界の動向と現状(2021-2022年)

2021年の段ボールは増加 経済再開とネット通販が追い風

経済産業省の「生産動態統計」によると、2021年の段ボールの販売量は前年比3.9%増の29.3億㎡、販売金額は3.1%増の1,736億円でした。

段ボールの販売量と販売金額の推移(出所:生産動態統計、グラフは業界動向サーチが作成)

段ボールの販売量と販売金額の推移を見ますと、販売金額は横ばいで推移しています。販売量は緩やかな減少傾向にありましたが、2021年は増加に転じました。なお、2019年には段ボール価格が上昇していますが、これは大手メーカーが段ボール価格を値上げしたことによるものです。

近年の段ボール業界の動向を振り返りますと、2020年の段ボール業界は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、生産量・販売量ともに前年を下回りました。コロナ禍での巣ごもり需要やインターネット通販の活況により、一部の食品や宅配、通販向け段ボールは堅調に推移しましたが、経済活動の制限等により産業向けが大きく落ち込みました。

2021-2022年はコロナ明けによる経済再開の流れを受け、段ボールの生産量は前年を上回りました。食品や電気機器向けなどが好調で、インターネット通販向けも引き続き堅調に推移しています。

一方で、2021年から2022年には原材料と製造工程におけるエネルギー価格の高騰が続いており、収益性の低下が懸念されています。世界的なインフレは高止まりを見せるものの、いまだ余談の許さない状況が続きます。

続いて、国内の段ボール業界の勢力図を見ていきましょう。以下は、2021-2022年の段ボール業界の売上高ランキングです。

段ボール業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 レンゴー 3,837
2 王子HD 1,991
3 トーモク 1,000
4 ダイナパック 446
5 特種東海製紙 374

※は段ボール関連の部門売上高。段ボール業界のランキングを見ますと、首位がレンゴー、2位に王子HD、トーモクと続きます。段ボール業界ではレンゴーの売上高が高い点に注目です。

2021-2022年は、大手段ボールメーカー5社中3社が横ばい、2社が増加でした。業界全体としては前年に比べて増収となっています。

拡大が期待される段ボール業界 競争激化で力量試される

段ボールとひらめき

堅調な推移を続ける段ボール業界ですが、近年はインターネット通販や宅配、アジアの需要増などを背景に拡大が期待されています。

こうした動向を受け、段ボールメーカー各社は様々な取り組みを行っています。

段ボール首位のレンゴーは、「RSDP段ボール」を新たに開発しました。従来の「運ぶ」機能に加え、「開ける」「並べる」「売れる」といった新しい機能を追加しています。RSDPは開封が簡単で、店頭にそのまま並べることもできます。小売業界が抱える人手不足の課題に対応した新しい商品です。

レンゴーの「RSDP段ボール」

「開ける」「並べる」などの機能を併せ持つレンゴーの「RSDP段ボール」

さらにレンゴーは、デジタル印刷を活用した段ボール「デジパケ」も展開。「デジパケ」は段ボール全体に精細な印刷が施され、店頭でPOPとしての販売促進機能も併せ持ちます。従来の段ボールに加え、新たな「プロモーションツール」としての付加価値を追加しました。

業界2位の王子HDは海外事業の展開を重要視しています。需要が著しい東南アジアや中国での拠点を強化しており、東南アジアで12、世界で21の段ボール製造拠点(2022年3月現在)を展開しています。さらに、2020年8月にはマレーシアで3か所目となる段ボール工場を新設しました。

段ボール業界は今後、ネット通販や宅配需要の増加、アジア経済の発展などに伴いさらなる市場の拡大が期待されています。一方、相次ぐ新規参入や東南アジアでの中国の台頭など、企業間の競争は激化しています。高まる需要にいかに対応するか、企業の力量が試されています。

段ボール業界 ランキング&シェア

段ボール業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで段ボール市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

段ボール業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 レンゴー 3,837
2 王子HD 1,991
3 トーモク 1,000
4 ダイナパック 446
5 特種東海製紙 374
6 ザ・パック 118
7 中央紙器工業 110
8 岡山製紙 100
9 大石産業 91
10 大村紙業 49

※レンゴーは段ボール+段ボール箱事業、王子HD、トーモク、ダイナパックは段ボール事業、特種東海製紙は産業素材事業、ザ・パックは段ボール事業、大石産業は緩衝機能材事業の売上高です。シェアとは段ボール業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで段ボール市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ段ボール業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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段ボール業界 対象企業一覧

レンゴー、王子HD、トーモク、ダイナパック、特種東海製紙、ザ・パック、岡山製紙、中央紙器工業、大石産業、大村紙業の計10社

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