出版業界の現状、動向、ランキング、年収情報などを分析・研究。

出版業界

PUBLISHING

出版業界の2020年版(2019-20年)の業界レポート。動向や現状、ランキング、シェアなどを分析・研究しています。出版業界の過去の市場規模の推移をはじめ、出版大手5社の売上高の推移、紙媒体や電子版の最新動向、大手各社が手掛けている事業などを詳しく解説しています。ビジネスや投資の市場分析、就職や転職の参考資料としてご活用ください。

業界規模

0.7兆円

(121位/160業界)

成長率

+0.7%

(127位/160業界)

利益率

+3.9%

(55位/160業界)

平均年収

651万円

(57位/160業界)

出版業界の現状と動向(2020年版)

グラフは出版業界の業界規模(対象企業の21計)の推移をグラフで表したものです。

出版業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2019年-2020年の出版業界の業界規模(主要対象企業21社の売上高の合計)は7,761億円となっています。

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  • 19年

出版業界の過去11年間の業界規模の推移

出版販売額の減少止まらず ネット、スマホの普及が影響

書籍・雑誌の販売高は日を追うごとに減少しており、業界規模は縮小傾向にあります。経済産業省によると2013年から2018年の5年間で約4,000億円の減少を記録。2018年の出版業界の売上高は1兆5,667億円と前年から4%近い縮小を見せています。

出版業界は、メーカーである「出版社」、卸の「取次」、小売りの「書店」で成り立っており、販売委託制という特殊な流通網となっています。出版社は取次と書店との契約で出版物の販売価格を決めています。

出版大手5社の売上高の推移(出所:各社決算資料、グラフは業界動向サーチが作成)

2019年から2020年の上位5社の売上高は、講談社が前年比12.8%の増加、集英社は同14.5%の増、KADOKAWA(出版事業)は1.5%増、小学館は0.7%の増、ゼンリンが6.3%の減少でした。

講談社はデジタル関連や版権の収入が向上、集英社は『鬼滅の刃』がヒットしたことで、前年から2ケタの伸び率を記録しました。

出版業界においては、紙媒体の書籍や雑誌離れが深刻化しています。インターネット及びスマートフォンやタブレット端末などの普及に伴い、ネットニュースやSNSなどで情報を収集する消費者が急増。加えて若者の『活字離れ』が見られます。このような動向が販売部数の減少につながっています。

こうした出版物の販売低迷は今後も続くことが予想されます。さらに、長期的には少子高齢化も加わり、出版業界は非常に厳しい事業環境に置かれています。

また、2020年に入り新型コロナウイルスによる感染拡大に伴い、自宅で過ごす消費者が増加。旅行関連や雑誌の販売は不振となりました、コミックスやビジネス書、学習ドリルや参考書などが好調な売れ行きを見せました。なかでも集英社発行の鬼滅の刃の累計発行部数は1憶2000万部(2020年12月時点)を突破、大ヒットとなっています。

紙媒体は苦戦、電子版は12%伸長 明暗分かれる

縮小傾向にある出版業界ですが、特に販売部数に伸び悩んでいるのが紙媒体の書籍や雑誌です。

2018年の紙媒体全体の年間売上高は、前年比4.4%減の1兆4,806億円。ジャンル別では書籍が3.3%減の8,484億円、雑誌が0.3%減の3,596億円でした。紙媒体では書籍、雑誌共に縮小しています。

雑誌の発行部数はこの5年で3割も減少、販売不振の煽りを受け休刊も相次いでいます。「Ziper」や「メンズジョーカー」などのファッション誌、「月刊YOU」や「花とゆめ」などのコミック誌、ビジネスやデザイン誌の「日経アソシエ」や「MdN」、また長年続いていた「アサヒカメラ」も96年の幕を閉じる結果となりました。中には今後Webメディア展開に注力する雑誌も存在します。

一方、電子媒体の売上高は前年比12.0%増の861億円となり、紙媒体と比べて大幅な増加を記録しています。内訳は書籍が8.2%増の720億円、雑誌は37.2%増の141億円で電子媒体の約8割を占めるのが書籍です。海賊版サイトの閉鎖により、近年は電子コミック(書籍内)が回復基調にあります。

海賊版サイトのおいては、2018年11月に大手出版が連携し海賊版対策で民間協議体をスタート。政府も海賊版対策を強化し、海賊版ダウンロード等の改正著作権法を成立させています。

電子媒体市場は拡大傾向にありますが、紙媒体の業界規模と比べると依然として小さいのが課題です。業界内の大幅な意識改革と方向転換が必要になります。

将来の動向を見据え、出版以外でのビジネスモデルを模索

既存出版物が苦戦する中で、ゼンリンなど出版物事業以外に強みを持つ企業の業績は堅調です。ベネッセは通信教育『進研ゼミ』、ゼンリンはカーナビなど地図データベース事業が貢献しています。一方で、落ち込みの激しい出版事業の穴を埋めるべく、各出版社では様々な取り組みを行っています。

宝島社や集英社などが手掛ける女性ファッション誌の販促では、ブランド化粧品のサンプルやバッグなど豪華な付録をアピール。さらに近年では付録違いやコンビニ限定などの企画、女性が持ち歩きやすいバックサイズ版なども展開しており、サイズを小さくし軽量化するなどの工夫を凝らしています。

さらに、出版各社はネットや映像との融合、デジタルメディア事業の強化、電子書籍事業の展開など、新たなビジネスモデル構築を模索しています。

カドカワは2014年10月、『ニコニコ動画』を運営するドワンゴと経営統合。既存の出版事業からの脱却を図り、ゲーム化、映画化、グッズ化、海外展開等のクロスメディアコンテンツの展開強化を図っています。

昭文社では、旅行者により旅を楽しんでもらう新たな事業『旅ナカ』サービスを強化しています。海外旅行の予約事業やグアムにマリンアクティビティ会社設立、ハワイとグアムには専用ラウンジをオープンし、今後アジアや沖縄での展開を予定しています。

講談社では、企業や団体が販売促進や広告宣伝に取り組むためのサイト『C-station』を展開。2020年3月にはソフトバンクと協業、講談社運営施設「ミクサライブ東京」で、5G活用の新たなLIVEエンターテインメントコンテンツを発表。一方、集英社は2019年、DeNAと共同会社を設立し、エンターテインメント事業の開拓に乗り出しています。

出版業界シェア&ランキング(2020年版)

出版業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで出版市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

出版業界 売上高&シェアランキング(2019年-2020年)

  企業名 売上高 シェア
1 講談社 1,358 40.1
2 集英社 1,333 39.4
3 KADOKAWA 1,156 34.1
4 小学館 977 28.9
5 ゼンリン 597 17.6
6 日経BP 367 10.8
7 学研HD 295 8.7
8 ベネッセHD 237 7.0
9 文藝春秋 219 6.5
10 サイネックス 138 4.1
※KADOKAWAは出版事業、学研HDは教育コンテンツ事業、ベネッセHDはその他事業の売上高です。シェアとは出版業界の規模(対象企業の21社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで出版市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ出版会社の詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

出版業界 その他のランキング

出版業界の関連業界

出版業界の関連業界を一覧で掲載しています。関連業界の動向もあわせて見ることで、その業界をより深く知ることができます。関連業界の現状や動向、ランキング、シェアもぜひチェックしてみてください。
出版業界 対象企業一覧
講談社、集英社、KADOKAWA、小学館、ゼンリン、日経BP、学研HD、ベネッセHD、文藝春秋、サイネックス、インプレスHD、ダイヤモンド社、文溪堂、キャリアデザインセンター、東洋経済新報社、朝日新聞出版、ぱど、昭文社HD、SEHD・アンド・インキュベー…、アルファポリス、スターツ出版、アルバイトタイムス、地域新聞社、ブランジスタ、中央経済社HD、タウンニュース社、KG情報、クイック、FRACTALE、などの計21社
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