ブライダル業界の動向や現状、ランキングなど

結婚式場の様子

ブライダル業界の動向や現状、ランキングなどを分析しています。ブライダル業界の過去の業界規模の推移をはじめ、結婚式場の売上高の推移グラフ、2022-2023年の動向と今後の見通し、各社の戦略などを解説しています。

ブライダル業界(2022-2023年)

ブライダル業界の推移と基本情報

業界規模

0.2兆円

成長率

-2.3

利益率

3.3

平均年収

492万円

  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

ブライダル業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に大幅に減少しましたが、2021年、2022年には若干の回復傾向にあります。

ブライダル業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の売上高は2,300億円、コロナ前の約9割回復へ

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査(2023年2月公表)」によると、2022年の結婚式場の売上高は前年比32.1%増の2,298億円、取扱件数は同20.8%増の73,070件でした。

結婚式場の売上高と取扱件数の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、2020年は新型コロナの影響によって大幅な減少を記録、2021年には約4割の回復となりましたが厳しい状況が続きました。一方、2022年は伸び率が縮小したものの、コロナ前である2019年の水準から約9割まで回復しています。

近年のブライダル業界の様子をみますと、2020年は新型コロナの感染拡大の影響により、ブライダル業界は大打撃を受けました。挙式の延期やキャンセル、規模の縮小が相次ぎ、多くのブライダル企業が赤字や倒産に追い込まれました。2021年は感染が落ち着きを見せる場面もあり、取扱件数や売上高の回復が見られましたが、水準は低く本格的な回復には至りませんでした。

2022-2023年のブライダル業界をみますと、行動制限の緩和後も感染症の影響は残るものの、挙式の延期や中止の影響は少なくなり、業界では徐々に回復がみられました。取扱件数は前年から増加、婚礼単価も上昇しました。水準もコロナ前には及ばないものの、回復基調にあります。

ブライダル業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ツカダ・グローバルHD 516
2 テイクアンドギヴ・ニーズ 455
3 BP 257
4 エスクリ 241
5 ワタベウェディング 196

※BPは2020年の売上高、ワタベウェディングは2021年の売上高です。ブライダル業界は2020年以降、業績を公表しない企業が増えたため、ランキングの情報が古い可能性があります。ご注意下さい。

また、2021年6月、海外ウェディングに強みを持つワタネベウェディングはコロナ禍で業績が悪化、ホテル事業との相乗効果を狙う興和の傘下に入りました。

婚姻数は減少傾向、進むナシ婚 今後も厳しい状況が続く

困難な綱引き

新型コロナの影響で大打撃を受けたブライダル業界ですが、今後もさらに厳しい状況が続くことが予想されます。

厚生労働省の調査によると、2022年の婚姻件数は50万4,930組、前年より3,792組の増加となりました。戦後最小を記録した前年からプラスに転じています。一方、人口減少・少子化のもと婚姻件数は長期的な下落トレンドを描いており、今後もこの傾向は続くと見られます。

国内では婚姻数の減少に加え、初婚年齢も上昇傾向にあり、「晩婚化」が進んでいます。さらに近年では、「結婚しない人」の割合も男性28.3%、女性17.8%とこの30年で3倍ほど増加しています。近年では日本人のライフスタイルや、経済観、結婚に対する考え方が変わってきており、ブライダル業界にとっては逆風となっています。

競争激化で事業多角化 海外展開でアジア圏の顧客獲得強化

グローバルの市場を見ている人たち

人口減少、婚姻数の低下を背景に、ブライダル業界では競争が激化しています。

需要が減る一方、近年ではハウスウェディングのブームを背景に新規参入企業は増加。老舗ホテルのシェア奪還やAOKIホールディングスなどのアパレル企業といった異業種の参入が増えています。

また、国内でのリゾートウェディングとして人気の『沖縄ウエディング』も同様、ライバル企業が増加傾向にあります。

こうした動向を受け、大手では事業の多角化を進めています。最近では海外事業に力を入れる企業も多く、中国を中心としたアジア圏での拠点拡大をはかっています。経済成長が著しく人口増が続くアジアで顧客獲得を強化し、海外市場に活路を見出そうとしています。その他、国内ではホテル建設、レストランやサロンなどの事業に取り組でいます。

また、やや古くなった既存施設のリニューアルも手掛けています。清潔感の維持や時代のニーズに合わせた新しいデザインを取り入れて顧客獲得に注力しています。

事業の多角化や新たな施設の供給、定期的なリニューアルには資金力が必要です。必然的に大手が生き残り、中小は淘汰される流れとなります。婚姻数が減少の一途をたどるなか供給数は増加傾向にあり、需給のバランスは逆転しています。消費者ニーズをうまくつかみ、新たな需要の発掘、他社にないサービスの展開が必要になります。

ブライダル業界 ランキング&シェア

ブライダル業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでブライダル市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

ブライダル業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ツカダ・グローバルHD 516
2 テイクアンドギヴ・ニーズ 455
3 BP ※1 257
4 エスクリ 241
5 ワタベウェディング ※1 196
6 アイ・ケイ・ケイHD 190
7 ディアーズ・ブレイン ※1 172
8 ブラス 114
9 クラウディアHD 95
10 AOKIホールディングス ※2 94

※1BPは2020年の売上高、ワタベウェディングは2021年、ディアーズ・ブレインは2019年の売上高です。※2AOKIホールディングスはアニヴェルセル・ブライダル事業の売上高です。シェアとはブライダル業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでブライダル市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれブライダル業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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ブライダル業界 対象企業一覧

ツカダ・グローバルHD、テイクアンドギヴ・ニーズ、BP、エスクリ、ワタベウェディング、アイ・ケイ・ケイHD、ディアーズ・ブレイン、ブラス、クラウディアHD、AOKIホールディングス、一蔵、アイエーグループ、アルカンシエルの計13社

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