スポーツクラブ業界の動向や現状、ランキングなど

フィットネス器具

スポーツクラブ業界の業界レポート。データは2022-2023年。動向や現状、シェア、売上高、純利益、勤続年数、平均年収等のランキングを掲載しています。対象企業の過去の業績を追うことでスポーツクラブ業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。

スポーツクラブ業界(2022-2023年)

スポーツクラブ業界の推移と基本情報

業界規模

0.2兆円

成長率

-4.2

利益率

-0.01

平均年収

728万円

  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

スポーツクラブ業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に大幅に減少しましたが、直近では回復傾向にあります。

スポーツクラブ業界の動向と現状(2022-2023年)

コロナで大幅減ののち、徐々に回復傾向に

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査(2023年2月公表)」によると、2022年のフィットネスクラブの売上高は前年比9.8%増の2,689億円、会員数は同3.1%増の265万人でした。

フィットネスクラブの売上高と会員数の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

フィットネスクラブの売上高と会員数の過去の推移を見ますと、2020年に売上高と会員数が大幅に減少、2021年と2022年は売上高は増加し、会員数も2022年に入り増加に転じています。一方でコロナ前の水準には依然して達していません。スポーツクラブ業界にとって、会員数の減少は今後の売上や利益の減少につながりますので注意が必要です。

スポーツクラブは、大型屋内施設で水泳やテニス、ダンス教室の他、トレーニングマシーンやサウナ等が利用可能な「総合型」、ヨガやピラティス、スポーツ格闘技など、限られたスペースで行える「小型店舗型」があります。

コロナ前までのスポーツクラブ業界は堅調に推移していました。スポーツクラブ業界の底堅さを支えていたのが、「健康ブーム」によるものと考えられます。特にシニア世代を中心に健康への関心が高まっており、スポーツクラブ業界にとって完全な追い風となっています。

また、2011年4月から中学校でダンスと武道が必修化に。この流れを受け、大手スポーツクラブは相次いでダンススクールや武道教室を開講。こうした流れもスポーツクラブ業界にとって追い風となっています。

そして、急成長したパーソナルトレーニングジムの「RIZAP」の他、近年は「エニタイムフィットネス」などの、24時間営業ジムが相次いでオープンしています。時間を気にせずに通えるメリットがあり、仕事帰りの会社員からの需要があります。

一方、2020年に入り新型コロナウイルスによる感染拡大で状況は一変、2021年にはコナミスポーツが25店舗の大量閉店するなど、コロナによる感染を嫌気されたジムでは会員数の減少など大きな影響を受けました。

2022-2023年のスポーツジムの動向をみますと、会員数は依然としてコロナ前を下回っていますが、行動制限の緩和により会員数は前年から増加するなど、足元では回復傾向にあります。また、各社でオンラインや委託運営の拡充が見られたほか、RIZAPではあらたに低価格の無人ジム「chocoザップ」を展開、コナミスポーツではピラティススタジオをオープンさせるなど新たな動きが見られています。

スポーツクラブ業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 コナミグループ 454
2 セントラルスポーツ 436
3 RIZAPグループ 435
4 ルネサンス 407
5 カーブスHD 275

※はスポーツクラブ関連の部門売上高。2022年のスポーツクラブ業界の売上高ランキングは、首位がコナミグループ、2位がセントラルスポーツ、3位がRIZAPグループでした。コロナ禍ではRIZAPが首位でしたが、2023年はコナミグループが3年ぶりに首位に返り咲きました。

2022-2023年のスポーツクラブ上位5社の売上高を見ますと、コナミが8.4%増、セントラルスポーツが8.2%増、RIZAPが2.7%減、ルネサンスが9.7%増、カーブスが11.8%増でした。2022-2023年は5社中4社が8%以上の増収を記録しています。

団塊の世代が後期高齢者へ パラダイムシフト進むか

エクササイズしているシニアたち

現在、スポーツクラブ業界を支えているのがシニア層です。シニア層で最もボリュームが厚いのが約800万人を超えるとされる団塊の世代ですが、これら団塊の世代が「後期高齢者」に突入しつつあります。

一方で、若年層のスポーツ離れは進んでいます。総務省「家計調査」によると「スポーツクラブ使用料」支出全体に占める世帯主の年齢階級別シェアによると、1位は60代の36.5%、2位は70代以上の21.0%。これに対し、30歳代は5.4%、20歳代以下は0.9%とかなり低い結果となっています。

もちろん、60歳以上と働き盛りの20~30代ではかけられる時間もお金も異なるので、一概には比較できませんが、シニアの割合に対し、30歳代以下の若年層の割合が極端に低いことは読み取れます。

新型コロナの影響により、ここ数年で会員数の減少が顕著に見られました。また、スポーツクラブ業界を支えてきたシニア層、とくに団塊の世代が後期高齢者に突入しつつあります。若年層は依然としてスポーツ離れが進んでおり、回復の兆しは見られません。コロナによる最悪期は脱したものの、スポーツクラブ業界を取り巻く構造的な問題がここ数年で一気に顕在化したように見えます。格安の24時間ジムも大量出店しており、今後、厳しい状況が予想されます。

スポーツクラブ業界 ランキング&シェア

スポーツクラブ業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでスポーツクラブ市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

スポーツクラブ業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 コナミグループ 454
2 セントラルスポーツ 436
3 RIZAPグループ 435
4 ルネサンス 407
5 カーブスHD 275
6 東急不動産HD 265
7 日本テレビHD 260
8 野村不動産HD 150
9 東祥 118
10 バローHD 92

※コナミグループはスポーツ事業、RIZAPグループはヘルスケア・美容事業、東急不動産HDはヘルスケア事業、日本テレビHDは生活・健康関連事業、野村不動産HDはフィットネス事業、東祥はスポーツクラブ事業、バローHDはスポーツクラブ事業の売上高です。シェアとはスポーツクラブ業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでスポーツクラブ市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれスポーツクラブ業界の詳細ランキングページにジャンプします。

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スポーツクラブ業界 対象企業一覧

コナミグループ、セントラルスポーツ、RIZAPグループ、ルネサンス、カーブスHD、東急不動産HD、日本テレビHD、野村不動産HD、東祥、バローHD、トゥエンティーフォーセブンの計11社

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