OUTDOOR
目次
グラフはアウトドア用品業界の業界規模(対象企業の8計)の推移をグラフで表したものです。
アウトドア用品業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年のアウトドア用品業界の業界規模(主要対象企業8社の売上高の合計)は2,053億円となっています。
アウトドア用品業界の過去7年間の業界規模の推移
過去の業界規模の推移を見ますと、2014年から2020年にかけてアウトドア業界は、拡大傾向にあることが分かります。
消費者のアウトドア需要の高まりが止まりません。下のグラフはアウトドア用品専業のスノーピークの売上高と経常利益の推移です。アウトドア専業の上場会社の業績を見ることで、業界の動向を探ることができます。
スノーピークの売上高と経常利益の推移(出所:株式会社スノーピーク、グラフは業界動向サーチが作成)
2020年のスノーピークの売上高は、前年比17.6%増の167億円で過去最高の売上高を記録、15期連続の増収を達成しました。2010年から12年は若干の増加でしたが、2013年から急激に伸びているのが分かります。
ここ数年は、家族や友人と楽しむ通常のキャンプに加え、一人キャンプやグランピング、登山やトレイルランニングなどアウトドアの楽しみ方が多様化しました。YoutubeやSNSの影響が大きく、色々な楽しみ方を模索する動きが個人やグループで見られます。
アウトドア需要が高まる背景として、デジタル化の普及により「人間本来の欲求に基づく自然回帰の流れ」が起きていると推測されます。こうした潮流は世界でも見られ、10年前と比べ、世界のアウトドアの市場規模は7割、日本は5割増加しています。
2020年のアウトドア用品業界は、春先の需要期を直撃したため、一時的に業績は悪化しましたが、在宅ニーズに合わせた商品ラインナップの整備などにより、業績を回復。さらに、コロナ禍で消費者のキャンプ需要が想定よりも強かったため、アウトドア用品市場には追い風に働きました。
拡大を続けるアウトドア用品業界ですが、各社、どのような展開をしているのでしょうか。詳しく分析していきます。
アウトドア用品専業大手のスノーピークは、テントやキャンピングマット、チェア、ウェアなどアウトドア用品一式を販売しています。最近では、アウトドア初心者向けの「エントリー製品」の売れ行きが好調です。とくに、2019年7月に発売した「HOME & CAMPバーナー」が大ヒット。かさばりやすいコンロをわずか1.4kgのボトル形状にまとめた画期的な製品です。
発売6か月で4.5万台売れた折り畳み式コンロ「HOME & CAMP バーナー」
スノーピークはアパレル事業も好調に推移しています。「都市と自然を行き来する服」をコンセプトに自然の中で必要な機能性と都市生活でのデザイン性を兼ね備えたアパレルを展開しています。
作業服等を展開する「ワークマン」は、アウトドア需要の拡大を受け、普段着としても使える機能性ウェアを展開。また、虫を寄せ付けないウェアやアクティブな動きを妨げないパンツ、防寒ジャンバーやアスレシューズなどを展開しています。近年のアウトドア需要の高まりを受け、製品の充実を図っています。
ホームセンターを展開するカンセキは、アウトドア専門店「WILD-1」を展開。近年のアウトドア需要の高まりを受け、売り場を相次いでリニューアルしています。また、ナショナルブランドに加え、消費者の声を取り入れたプライベートブランドも展開しています。
IT化、デジタル化が進むにつれ、人間本来が持つ自然回帰の欲求は今後も高まってゆくことでしょう。日本のキャンプ人口はおよそ7%と言われており、アウトドア用品市場の成長余地はまだまだあるでしょう。コロナ禍により、私たちのライフスタイルそのものが変わりつつあります。アウトドア業界は、こうした生活の変化をうまく捉える業界になるかもしれません。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | ゴールドウィン ※ | 781 | 38.0 | |
2 | ワークマン ※ | 458 | 22.3 | |
3 | ゼビオHD ※ | 308 | 15.0 | |
4 | スノーピーク | 167 | 8.1 | |
5 | カンセキ ※ | 136 | 6.6 | |
6 | ヒマラヤ ※ | 106 | 5.2 | |
7 | デサント ※ | 80 | 3.9 | |
8 | ティムコ ※ | 17 | 0.8 |