SPORTING GOODS MANUFACTURERS
目次
グラフはスポーツ用品業界の業界規模(対象企業の12計)の推移をグラフで表したものです。
スポーツ用品業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年のスポーツ用品業界の業界規模(主要対象企業12社の売上高の合計)は1兆0,552億円となっています。
スポーツ用品業界の過去6年間の業界規模の推移
スポーツ用品業界(製造)の過去の推移を見ますと、2015年から2019年にかけて横ばいを記録していましたが、2020年には減少に転じています。
近年のスポーツ用品業界は、健康志向によるスポーツへの関心やランニングブームなどを背景に堅調な推移を見せています。特にランニング人気は根強く、ランニングシューズや関連ウェアなどの売れ行きは好調で、初心者にとどまらず、中上級者向けの高価格帯商品の売れ行きも好調となっています。
また、登山などアウトドア用品の需要も伸びています。こちらは団塊の世代など60代を中心にブームとなっており、こちらもランニング同様に根強い人気があります。
一方、2020年に入り新型コロナウイルスの影響は、スポーツ用品業界にも大きな影響を及ぼしています。2020年開催の東京五輪中止、「3密」になりやすいフィットネスジムなどの屋内施設が苦戦、フィットネス用品の販売不振に繋がっています。
だだ、このような状況下においても、風通しが良く「3密」を回避しやすい屋外で行えるアウトドアやランニングなど需要や、自宅で行えるヨガなどの人気は高まっている状況です。
2020-2021年のスポーツ用品メーカーの業績は、売上高でアシックスが前年比13.0%減の3,287億円、ミズノが同11.4%減の1,504億円、グローブライドが13.7%増の1,003億円、デサントが22.2%減の968億円となりました。
国内のスポーツ用品業界は今後、少子化による影響を受けることになるでしょう。現在は、比較的元気なシニア層が業界を支えていますが、数十年後も同じ状況が続くとは限りません。こうした動向を受け、スポーツ用品メーカー各社は海外へと活路を見出しています。
国内首位のアシックスは米州、欧州、オセアニア、東アジア地域で展開。アシックスの海外売上高はこの10年で2倍以上に増加しています。また、2位のミズノも欧州、米州、アジア地域で展開しています。
一方、3位のデサントは2019年3月、伊藤忠商事によるTOBが成立。韓国を中心としたアジア展開を行っていましたが、収益柱であった韓国依存のビジネスモデルを転換、今後は中国への進出を強化します。
このように、国内のスポーツメーカーは海外に積極的に展開しており、グローバル化は進んでいると言えます。しかしながら、海外には強豪が多数存在し、日本勢のシェアは決して高いとは言えません。
米国スポーツ用品首位のナイキの売上高は391億ドルと国内首位のアシックスの3,866億円と比べ大きな開きが見られます。また、これらの海外ブランドは知名度、ブランド力、資本力ともに国内メーカーを圧倒しており、海外でのシェアは大きく差を広げられています。国内での縮小トレンドが見られる今後、スポーツ用品各社には海外へのさらなる展開やブランド力の強化に期待したいところです。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | アシックス | 3,287 | 31.2 | |
2 | ミズノ | 1,504 | 14.3 | |
3 | グローブライド | 1,003 | 9.5 | |
4 | デサント | 968 | 9.2 | |
5 | ゴールドウィン | 904 | 8.6 | |
6 | シマノ ※ | 799 | 7.6 | |
7 | 住友ゴム工業 ※ | 702 | 6.7 | |
8 | ヨネックス | 515 | 4.9 | |
9 | エスエスケイ | 431 | 4.1 | |
10 | ゼット | 376 | 3.6 |