玩具業界の動向、現状、ランキング、シェアなどを研究しています。データは2022-2023年。過去の玩具業界の市場規模の推移をはじめ、年間玩具販売額の推移とグラフ、業界の特性と最近のヒット商品、トレンドの分析などを解説しています。
業界規模
8.0兆円
成長率
13.6%
利益率
12.2%
平均年収
797万円
玩具業界の過去の業界規模の推移を見ますと、増加傾向にあります。
玩具業界の動向と現状を解説します。下のグラフは玩具販売金額の推移を示しています。
玩具販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)
経済産業省の生産動態統計(2023年6月公表)によると、2022年の玩具販売金額は前年比2.6減の725億円でした。連続プラスは途絶えたものの、700億円台をキープするなど、中長期的には増加傾向で推移しています。
玩具業界は主に家庭用ゲーム機分野とおもちゃ分野に分かれます。ヒット商品の有無が業績を大きく左右する傾向にあるなか、近年は消費者の嗜好の変化のスピードが増々速くなるとともに、製品のライフサイクルも比較的短くなっています。
また、玩具業界は季節性が強く、クリスマスや正月前など年末商戦に需要が集中する傾向があるのが特徴です。各企業は年末商戦に向けて魅力的な商品を投入しており、この時期は百貨店のおもちゃ売り場やトイザらスなどのおもちゃ専門店には、各社の主力商品が並びます。
家庭用ゲーム機械分野においては、『ニンテンドースイッチ』が販売から5年が経ちますが、依然として人気は高く、世界販売台数は1億3,246万台(2023年9月末時点)を記録しました。対抗するソニーも、発売から8年目を迎える『PlayStation4』の世界販売台数が1億1,700万台(2022年6月末時点)となりました。両製品ともに大台の1億台を突破、現在も好調な売れ行きを維持しています。
スマートフォンの普及に伴い、ゲーム需要は家庭用からスマホゲームへとシフトする中、『ニンテンドースイッチ』の「テレビ、据え置き、携帯」と3つのモードで遊べる手軽さが多くの人から支持されました。厳しいとされていた家庭用ゲーム機市場において、一つの解を導き出しました。
2020年11月12日には待望の『PlayStation5』が発売、わずか1ヶ月半で450万台を記録、2023年9月時点で4,660万台を突破しています。また、2021年10月にはニンテンドースイッチの有機ELモデルが登場、こうした市況からも家庭用ゲーム機の需要回帰が期待されています。
直近の状況では、2023年5月発売の「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」は、3日間で1,000万本を突破し、最も早く売れた任天堂ゲームとしてギネス記録を更新、同時にニンテンドースイッチの販売台数も前年を上回っています。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | |
1 | ソニーグループ ※ | 35,385 | |
2 | 任天堂 | 16,016 | |
3 | バンダイナムコHD | 9,900 | |
4 | セガサミーHD | 3,896 | |
5 | スクウェア・エニックス・HD | 3,432 |
※はゲーム&ネットワークサービス事業の売上高。2022年の玩具業界の売上高ランキングでは、ゲーム機やゲームソフトを販売するソニークループと任天堂が、3位以下を大きく引き離し業界をけん引しています。
2022年の玩具業界の業績を見ますと、上位5社中3社が増加、2社が減少でした。また、主要対象企業16社の合計売上高は、コロナ前である2019年を46%上回っており、こうしたことからも2022年の玩具業界の好調さが伺えます。
おもちゃ分野はその時々の流行やトレンドによって業績が大きく変わります。特にアニメや特撮シリーズなどのテレビや映画は玩具業界に大きな影響を与えます。
2022年のおもちゃ分野の動向を見ますと、前年から引き続きカードゲームやカプセルトイなどが好調でした。なかでもカードゲームは、ポケモンや遊戯王、デュエル・マスターズなどの人気が高く、購買層も幅広くなったことで需要が伸びています。
近年では、2020年より小学校のプログラミング教育の必修化を受け、遊びながら学べるおもちゃが注目されています。小学生向けのみならず未就学児向けの玩具も発売、本格的なものから簡単なロボット制作の他、ポケットモンスターやドラえもんなどの人気キャラクターを用いたりと、子供たちが抵抗を感じることなく学べる商品が投入されています。
プラモデル市場においても、ここ数年販売金額を伸ばしています。特に、人気アニメ『機動戦士ガンダム』は国内のみならず海外においても高い人気を集め、『ガンプラ』と呼ばれるガンダムのプラモデルは、中国や台湾、韓国といったアジアで需要を伸ばしています。
また、直近の動向を見ますと、2022年9月にタカラトミーがメタバース空間にロングセラー商品の「黒ひげ機器一発」を提供しています。同社はデジタルとトイ、エンターテイメントを融合させた「デジトイメント」とテーマに、今後もオリジナルIPのデジタル化を広げようとしています。
国内の玩具業界は少子化や市場の成熟により、市場全体の縮小が懸念されています。しかしながら、玩具業界はヒット商品を生み出せば、売上が爆発的に伸びる一面も持ち合わせています。こうした市況から、おもちゃ業界では大人向け商品にも注力しており、バンダイナムコやタカラトミーでは、ハイターゲット向け商品やシニア層向けビジネスの拡大を図っています。
近年はSNSやYouTubeなど拡散性の高いメディアが浸透しており、販売戦略も一つの鍵となります。また、トレンドや流行に左右される玩具は、コロナ禍では家族で楽しめるボードゲームやジグソーパズル、知育玩具などの需要が高まりました。大きな可能性を持っている業界ですので、今後のヒット商品の誕生に期待したいところです。
玩具業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで玩具市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | ソニーグループ ※ | 35,385 | ||
2 | 任天堂 | 16,016 | ||
3 | バンダイナムコHD | 9,900 | ||
4 | セガサミーHD | 3,896 | ||
5 | スクウェア・エニックス・HD | 3,432 | ||
6 | コナミグループ | 3,143 | ||
7 | ハピネット | 3,072 | ||
8 | タカラトミー | 1,872 | ||
9 | カプコン | 1,259 | ||
10 | ピジョン | 949 |
※ソニーグループはゲーム&ネットワークサービス事業の売上高です。シェアとは玩具業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで玩具市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ玩具業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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ソニーグループ、任天堂、バンダイナムコHD、セガサミーHD、スクウェア・エニックス・HD、コナミグループ、ハピネット、タカラトミー、カプコン、ピジョン、コーエーテクモHD、サンリオ、壽屋、エスケイジャパン、ピープル、ブロッコリーの計16社
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玩具 売上高ランキング(2022-23)
企業名 | 売上高 | ||
1 | ソニーグループ | 35,385 | |
2 | 任天堂 | 16,016 | |
3 | バンダイナムコHD | 9,900 | |
4 | セガサミーHD | 3,896 | |
5 | スクウェア・エニックス・HD | 3,432 |