映画業界の動向や現状、ランキングなど

映画のフィルムとポップコーン

映画業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2022-2023年。映画業界の過去の市場規模の推移をはじめ、映画館収入と入場者数の推移や2021年の映画興行ランキングなどを研究しています。

映画業界(2022-2023年)

映画業界の推移と基本情報

業界規模

0.7兆円

成長率

3.0

利益率

7.6

平均年収

673万円

  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

映画業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年には大幅に減少しましたが、2022年には19年の水準にまで戻しています。

映画業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の映画大手3社は増加へ コロナ前比8割の水準まで回復へ

近年の映画業界の動向を見ますと、2019年は人気作品が相次いで公開するなど、ヒット作に恵まれた年でした。ところが、2020年に入り状況は一変します。コロナ禍により各地の映画館では一斉に休館や入場制限を実施、業界は大ダメージを受けました。一方、2021年に入り徐々に回復、2022年は入場者数、興行収入ともに19年の8割まで回復しています。

続いて映画会社大手の動向を見てみましょう。下のグラフは2022年までの過去12年間の映画大手3社の売上高の推移を示しています。

映画大手3社の売上高の推移

映画大手3社の売上高の推移(グラフは業界動向サーチが作成)

19年までは、緩やかな増加および横ばいでの推移でしたが、2020年は各社ともに大幅に減少、2021年は3社ともに増加に転じるも、前年の大幅下落が大きく響いています。2022年は前年から引き続き増加しましたが、東映のみがコロナ前越えとなり、東宝と松竹は中長期的には横ばいでの推移となっています。

2022年の映画業界の動向を見ますと、映画館は休館や時短営業の影響が減り、間引きされていた座席も全席開放されたことで、興行収入および入場者数が前年から増加しました。公開作品では邦画アニメの需要が高く市場をけん引する一方、洋画の伸びに弱さが見られました。

2022年の興行収入ランキングで1位を獲得した作品は「 ONE PIECE FILM RED」でした。2位には「劇場版 呪術廻戦 0」、3位は「すずめの戸締まり 」と、上位3作品が100億円を突破しました。その他「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」、「キングダム2 遥かなる大地へ」なども上位にランクインしており、アニメに関する作品が上位5位入りを果たしています。

映画業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 東宝 2,442
2 東映 1,743
3 東映アニメーション 874
4 松竹 782
5 東北新社 559

2022年の映画業界売上高ランキングを見ますと、首位に東宝、2位が東映、3位に東映アニメーション、松竹、東北新社と続き、東宝が一歩リードしています。

2022年から2023年の映画業界大手3社の決算を見ますと、売上高では東宝が前年比7.0%増の2,442億円、東映が同48.3%増の1,743億円、松竹8.9%増の782億円でした。主要映画会社3社そろって増収を記録、なかでも東映がコロナ前の水準を上回りました。

邦画アニメが市場をけん引 興行収入、歴代1位は「鬼滅の刃」

映画館の中の様子

ここ数年の興行収入ランキングを見ますと、19年から2022年は4年連続で邦画アニメが1位を獲得しています。19年は数々のヒット作が公開されるなか、首位を獲得したのが「君の名は。」で話題となった、新海誠監督の『天気の子』でした。

さらに、2020年は新型コロナによって、映画業界は厳しい状況に陥るなかで『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が空前の大ヒット。興行収入は歴代最速の10日間で、100億円を突破しました。その後も記録を更新し続けた結果、『千と千尋の神隠し(13’)』の316億円を抜き、歴代1位を獲得しています。

日本歴代興行収入ランキング

コロナの影響を受けるなか、2021年に1位を獲得したのは庵野監督の大人気シリーズ『新・エヴァンゲリオン 劇場版』です。公開初日で興収8億を突破、シリーズの最終作ということもあり、100億円を超える大ヒット作品となりました。さらに、2位と3位には「名探偵コナン 緋色の弾丸」、「竜とそばかすの姫」と、上位3位をアニメ作品が占めました

このように、近年の映画業界では邦画アニメの需要が高まっています。ヒットの目安となる興行収入10億円以上の作品の中には、アニメ作品が多くランクインしており、人気の高さがうかがえます。

2022年の状況を見ますと、各社の作品にはドラゴンボールやワンピース、スラムダンク、名探偵コナンなど人気作品が相次いで公開されました。各作品の興収は順調に推移し、上位4位にアニメがランクイン、うち3位までが100億円を突破しています。また、東映においては、ワンピースの興行収入が歴代1位を達成、1作品のみで東映の年間興行収入の最高記録を塗り替えました。

2022年の公開作品では、東宝のアニメ作品が上位2から4位を独占しています。このようなことから、東宝では「第4の柱」にアニメ事業を位置づけ、2025年度に最高益を狙うことを掲げています。アニメ映画がヒットすることで、パッケージや配信などのIPビジネスが展開しやすくなるため、アニメ事業を強化しアジアや北米などの海外にも注力する予定です。

アニメの市場規模においては、すでに2020年に海外市場が国内市場を上回っています。人気漫画の『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の海外配給が2022年8月に開始、全米オープニング興行収入で一位を獲得しています。今後もジャンプなどの人気漫画以外のオリジナルアニメ映画においても世界展開が進んでいます。

映画業界 ランキング&シェア

映画業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで映画市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

映画業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 東宝 2,442
2 東映 1,743
3 東映アニメーション 874
4 松竹 782
5 東北新社 559
6 マーベラス 253
7 東京テアトル 163
8 オーエス 74
9 きんえい 33
10 中日本興業 33

※シェアとは映画業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで映画市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ映画業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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映画業界 対象企業一覧

東宝、東映、東映アニメーション、松竹、東北新社、マーベラス、東京テアトル、オーエス、きんえい、中日本興業、フライトHD、東京楽天地、スバル興業、武蔵野興業の計14社

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