2021年の医薬品卸業界の動向や現状、ランキングなどを分析しています。

医薬品卸業界

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2021年の医薬品卸業界の動向や現状、ランキングやシェアなどを分析しています。医薬品卸業界の過去の市場規模の推移をはじめ、大手4社の売上高の推移とランキング、2021年のコロナの影響と今後を見据えた各社の取り組みなどを解説しています。ビジネスや投資、就職や転職などの参考資料としてご参考下さい。

業界規模

10兆円

伸び率

+0.2%

利益率

+2.1%

平均年収

546万円

目次

医薬品卸業界の現状と動向(2021年版)

グラフは医薬品卸業界の業界規模(対象企業の10計)の推移をグラフで表したものです。

医薬品卸業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の医薬品卸業界の業界規模(主要対象企業10社の売上高の合計)は10兆2,053億円となっています。

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  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年

医薬品卸業界の過去6年間の業界規模の推移

2020年は薬価引き下げや、コロナによる受診抑制の影響で減収

医薬品卸業界の業界規模を見ますと、ほぼ横ばいで推移しています。

以下のグラフは医薬品卸大手4社の売上高の推移です。医薬品卸業界は以下の4社の売上高のシェアが高く、4社の動向を見ることで医薬品卸業界の動向を大まかに把握することができます。

医薬品卸大手4社の売上高の推移(出所:各社決算資料、グラフは業界動向サーチが作成)

2021年3月の各社決算によると、メディパルHDは前年比1.3%減の3兆2,111億円、アルフレッサHDは3.5%減の2兆6,031億円、スズケンは3.8%減の2兆1,282億円、東邦HDは4.2%減の1兆2,102億円でした。2019年までは緩やかな上昇傾向にあった医薬品卸業界ですが、2020年は減少に転じています。

2020年の医薬品卸業界は減収減益を記録しています。一般医薬品需要は増えたものの、4月に実施された薬価引き下げ、価格競争の激化、新型コロナウイルス感染拡大の懸念による受診の抑制、インバウンド需要の大幅減などの影響によりマイナス成長を記録しています。

業界の近年の動きとしては、2020年10月、東京地検特捜部と公正取引委員会は独占禁止法の疑いで、メディセオ、アルフレッサ、スズケン、東邦薬品の4社を一斉捜索しました。4社は過去2回の競争入札において、受注者を事前に決めるなど談合の疑いがかけられており、コーポレートガバナンスの強化が求められています。

医薬品卸業界 売上高ランキング

続いて、医薬品卸業界の勢力図を見ていきましょう。上の図は2020年の医薬品卸業界の売上高ランキングです。やはり、上位4社の売上高が高いことが分かります。前年比では上位8社中6社が横ばいとなっています。

首位のメディパルHDはメディセオとパルタックが経営統合して発足、2位のアルフレッサHDは福神とアズウェルが統合してできた会社です。3位のスズケンは独立系の医薬品卸会社です。

「高機能物流センター」など、各社が新規事業を強化

堅調に推移している医薬品卸業界ですが、今後、少子高齢化や医療費の抑制に伴う薬価引き下げの影響により、国内市場の縮小が懸念されています。こうした動向を受け、医薬品卸各社は今後の成長を見据え、様々な施策を講じています。

医薬品卸首位のメディパルHDは、2020年に医療用医薬品などを扱う「ALC(高機能物流センター)」を稼働させました。需要予測システムや自動ピッキングによる作業効率化を行い、人手不足の解消とさらなる生産性の向上を目指します。

メディセオのALCの次世代物流システム「オーパス」

メディセオALCの次世代物流システム「オーパス」

2020年10月にアルフレッサHDは、神戸市に国内2拠点目となる「再生医療流通ステーション」を開設しました。再生医療流通ステーションは、再生医療製品に欠かせない超低温の保管・輸送環境を整備した施設です。将来的に、市場の急速な拡大が見込まれる再生医療分野への投資を加速させます。

医薬品卸4位の東邦HDは、2020年9月に大規模高機能物流センター「TBCダイナベース」を稼働しました。TBCダイナベースは最新鋭の自動化技術を擁し、パンデミックや災害時にも医薬品を安定供給できるよう、東京都が指定する災害時広域輸送基地に配置してあります。

医薬品卸業界は今後、堅調な推移が予想されていますが、相次ぐ薬価の改定や価格競争の激化で楽観視はできません。2020年に発覚した4社による談合の疑いなど、業界全体に対するコンプライアンスの改善も求められています。業界に対する信頼の回復と既存事業の強化、将来を見据えた新規事業の拡大が求められています。

医薬品卸業界シェア&ランキング(2021年版)

医薬品卸業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで医薬品卸市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

医薬品卸業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 メディパルHD 32,111 31.5
2 アルフレッサHD 26,031 25.5
3 スズケン 21,282 20.9
4 東邦HD 12,102 11.9
5 バイタルケーエスケー・HD 5,370 5.3
6 ほくやく・竹山HD 2,394 2.3
7 PALTAC 1,233 1.2
8 大木ヘルスケアHD 1,031 1.0
9 アステナHD 321 0.3
10 コーア商事HD 178 0.2
※は医薬品卸部門の売上高で、PALTAC、大木ヘルスケアHDは医薬品事業、アステナHDはファインケミカル+医薬事業の売上高です。シェアとは医薬品卸業界の規模(対象企業の10社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで医薬品卸市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ医薬品卸会社の詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

医薬品卸業界 その他のランキング

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医薬品卸業界 対象企業一覧
メディパルHD、アルフレッサHD、スズケン、東邦HD、バイタルケーエスケー・HD、ほくやく・竹山HD、PALTAC、大木ヘルスケアHD、アステナHD、コーア商事HDの計10社
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