NURSING GOODS
目次
グラフは介護用品業界の業界規模(対象企業の10計)の推移をグラフで表したものです。
介護用品業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の介護用品業界の業界規模(主要対象企業10社の売上高の合計)は2,429億円となっています。
介護用品業界の過去7年間の業界規模の推移
介護用品業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2014年から2020年にかけて増加傾向にあります。
厚生労働省の「介護給付費等実態統計」によると、2019年の介護・介護予防サービスの年間受給者数は前年比2.3%増の611万人、費用額累計は前年比3.5%増の10兆5,095億円でした。
介護・介護予防サービスの受給者数と費用の推移(出所:厚生労働省、グラフは業界動向サーチが作成)
介護費用額は2018年に続き、2年連続の10兆円越えとなりました。介護サービスの利用者と費用は年々拡大傾向にあることが分かります。今後も受給者数は増加するものと見られ、介護用品へのニーズも増えることが想定されます。
介護用品業界とは、介護用品のレンタルや販売を手掛ける業界です。電動ベッドや車いす、歩行器や手すり、つえ、スロープ、入浴補助用具など多岐にわたります。在宅介護用品の利用はレンタルが主流で、公的介護保険を使って借りることができます。ただし、公的介護保険でレンタルできる福祉用具は、「介護度」に応じて借りられるものが決まっています。
2020年の介護用品業界は、新型コロナウイルスの感染拡大による営業活動自粛の影響により、おおむね減収を記録しました。一方、デイサービスの休業要請などにより、自宅介護の環境整備が求められる状況になり、自宅向けの介護用品の需要は高まっています。全体的に売上は下がりましたが、他の業界に比べてコロナの影響は軽微であると言えます。
続いて、介護用品業界の売上高を見ていきましょう。
パラマウントベッドとフランスベッドは医療用・介護用ベッドを手掛ける会社です。パラマウントベッドは、医療・介護用ベッドで国内首位で約7割のシェアを占めます。フランスベッドは医療・介護用とインテリアベッドを手掛け、近年では医療・介護用ベッドを主力としています。
トーカイは医療施設向けの寝具リネンと介護用品レンタルを主に手掛けます。中部、関東、関西、四国などに営業拠点を置き、58店舗を展開しています。日本ケアサプライは介護用品レンタル卸の大手で、全国の事業者に対して介護用品のレンタル・販売を行っています。
今後の介護用品業界は、高齢者の増加とともに拡大していくことが予想されます。
医療・介護用ベッド首位のパラマウントベッドHDは、2020年8月に在宅介護用ベッドの主力商品である「楽匠プラスシリーズ」をリリースしました。楽匠プラスシリーズは、累計26万台の販売実績をもつ「楽匠Zシリーズ」の後継機種で、6年半ぶりのフルモデルチェンジとなります。発売開始から好調な売れ行きとなっています。
姿勢をより安定しやすく改良された在宅介護ベッド「楽匠プラスシリーズ」
介護用品レンタル卸の日本ケアサプライは、「e-KaigoNet」を中心としたオンラインサービスを強化しています。近年では、介護用品のアウトレットECサイトや用品の選定提案支援アプリなどを立ち上げいます。オンラインを通して、新たな価値の創造や業務効率化を提案します。
日本は今後、高齢化がさらに進み、介護用品レンタルの需要は拡大することが予想されます。一方で、国の財政負担も大きくなり、介護報酬の抑制リスクも考えられます。機会とリスクが混在する中、各社とも成長の基盤づくりを強化しています。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | パラマウントベッドHD | 871 | 35.9 | |
2 | トーカイ ※ | 606 | 24.9 | |
3 | フランスベッドHD ※ | 328 | 13.5 | |
4 | アズワン ※ | 210 | 8.6 | |
5 | 日本ケアサプライ | 210 | 8.6 | |
6 | プラッツ | 70 | 2.9 | |
7 | メディアスHD ※ | 56 | 2.3 | |
8 | 幸和製作所 ※ | 41 | 1.7 | |
9 | セントケア・HD ※ | 29 | 1.2 | |
10 | 星医療酸器 ※ | 8.3 | 0.3 |
介護用品 売上高ランキング(2021年版)
1 | パラマウント | 871億円 | |
2 | トーカイ | 606億円 | |
3 | フランスベッ | 328億円 | |
4 | アズワン | 210億円 | |
5 | 日本ケアサプ | 210億円 |
介護用品 関連業界天気図(2021年版)