オフィス家具業界の動向やランキング&シェアなど

オフィスの風景

オフィス家具業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2021-2022年。オフィス家具業界の過去の業界規模の推移をはじめ、事務用机といすの販売金額の推移グラフ、2021年のコロナの影響と新常態(ニューノーマル)に向けた各社の取り組みなどを解説しています。

オフィス家具業界(2021-2022年)

オフィス家具業界の推移と基本情報

業界規模

0.4兆円

成長率

3.9

利益率

2.9

平均年収

622万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

オフィス家具業界の過去の業界規模の推移を見ますと、緩やかな増加傾向にあります。

オフィス家具業界の動向と現状(2021-2022年)

2021年は事務用机、いすともに横ばい 下げ止まりに

経済産業省の生産動態統計によると、2021年の事務用机の販売金額は前年比1.2%減の418億円、回転式いすは同3.6%増の232億円でした。

事務用机と回転式いすの販売金額の推移

事務用机と回転式いすの販売金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフによると、事務用机・回転いすともに2018年ごろまで増加傾向にありましたが、2018年から2020年にかけては減少に転じています。2021年は前年比で横ばいとなり、下げ止まりを見せています。

2021年のオフィス家具業界は、新型コロナの影響を受けた昨年に比べ、業績は増加しました。2021年は企業でのハイブリッドワークが普及したことから、既存オフィスの見直しによるリニューアル需要が増加しました。製品ではワークブースなどが好調に推移しています。

一方で、2021年の後半から2022年にかけて、資源価格の高騰が見られ、原価率の上昇が懸念されています。

近年のオフィス業界は環境が変化しつつあります。特に、新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの働き方そのものが大きく変化しました。コロナをきっかけに、多くの企業や個人で働き方そのものの見直しが進められています。オフィス家具業界にとっては変革の時を迎えており、今後の動向に注目が集まります。

オフィス家具業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 コクヨ 1,570
2 オカムラ 1,405
3 イトーキ 805
4 内田洋行 463
5 稲葉製作所 114

※はオフィス家具関連の部門売上高。2021-2022年のオフィス家具業界の売上高ランキングによると、首位がコクヨ、2位がオカムラ、3位がイトーキでした。首位のコクヨは文具のイメージが強いですが、近年では空間デザインやオフィス家具部門の売上が最も高い割合を占めています。

2位のオカムラは、事務用デスクやチェアなどオフィス家具事業を中心に、公共施設向け家具や店舗用陳列棚などの製造・販売などを手掛けます。3位のイトーキはオフィス家具を中心に、間仕切りや物流設備機器なども手掛けています。

「新常態」への対応が続々 逆境をチャンスに変えられるか

ひらめきのイメージとビジネスマン

2021年は新型コロナウイルス感染拡大からの回復が見られ、横ばいとなったオフィス家具業界ですが、中長期的には事務用机や椅子は減少傾向にあります。コロナをきっかけに、「今後想定されていたオフィス需要の減少を速めた」と捉えることもできます。

コロナ以降、在宅勤務やテレワークが定着し、オフィス空室率は上昇傾向にあります。一部の業界や企業では、オフィスの在り方そのものを問う声も出ています。オフィス家具業界にとって2020-2021年は、従来の常識から発想を転換させる重要な年とも言えるでしょう。

オフィス家具業界にとって、こうした状況は厳しいですが、コロナ後の新常態(ニューノーマル)では新たなニーズも生まれてきています。オフィス家具メーカー各社は、こうしたニーズに着目し、新たなビジネスモデルの構築を模索しています。

国内オフィス家具首位のコクヨは、2020年12月にオフィスの会議で生じる飛沫や呼気を吸収する会議テーブル「AIR TREIVE(エアトリーブ)」を販売開始しました。

コクヨの空気清浄機能付き会議用テーブル「エアトリーブ」

コクヨの飛沫・呼気吸引機能付き会議用テーブル「エアトリーブ」

「エアトリーブ」は天板下に集塵フィルターを内臓した空気清浄ユニットを搭載しており、空気中の浮遊ウイルスの除去にも効果があります。需要が高まるウイルス感染対応製品として、期待が高まっています。

オフィス家具大手のオカムラは、新しい働き方や環境を提案・実証する場として「ラボオフィス」を複数展開しています。「ラボオフィス」では従来のオフィスの概念を超えた新しい働き方や、それに伴う実証結果を顧客に提案していきます。

チェアなどオフィス家具大手のイトーキは、急増する在宅ワークの需要に応えるべく、在宅勤務用チェアのラインナップやECサイトを強化しました。その結果、2020年の在宅向けチェアの販売台数が、対前年比400%の増加を記録しました。

2020年のオフィス家具業界は、新型コロナの影響により厳しい一年となりました。一方で、ライフスタイルの変化に伴う新常態のニーズ発掘など、新たなビジネスチャンスも生まれています。現在はオフィスの在り方そのものが問われる変革の時代を迎えており、柔軟な発想とスピーディーな対応が求められています。

オフィス家具業界 ランキング&シェア

オフィス家具業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでオフィス家具市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

オフィス家具業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 コクヨ 1,570
2 オカムラ 1,405
3 イトーキ 805
4 内田洋行 463
5 稲葉製作所 114
6 タカノ 107
7 リリカラ 61
8 くろがね工作所 61
9 中央可鍛工業 9.2

※コクヨは空間価値ドメイン事業、オカムラはオフィス環境事業、イトーキはワークプレイス事業、内田洋行はオフィス関連事業、稲葉製作所はオフィス家具事業、タカノはオフィス家具事業、リリカラはスペースソリューション事業、くろがね工作所は家具関連事業、中央可鍛工業は金属家具事業の売上高です。シェアとはオフィス家具業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでオフィス家具市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれオフィス家具業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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オフィス家具業界 対象企業一覧

コクヨ、オカムラ、イトーキ、内田洋行、稲葉製作所、タカノ、リリカラ、くろがね工作所、中央可鍛工業の計9社

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